南極旅行
南極クルーズ
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南極大陸を定義するには一つの言葉では足りません。英語で“The Antarctic” と表記した場合は、南極周辺の棚氷、群島、海域を含む南極大陸を意味します。地政学用語では”The Antarctic” は60度線から南の全域を含みます。これは南極条約が適用される地域です。
科学的見地からみて最もふさわしいものは、南極収束線が形成する海洋学上および生物学上の境界線を南極大陸の限界線とするものでしょう。
その為、南緯66°33’地点を南極圏と言う呼び方は、たとえその一部分が南極収束線の北にあったとしても有効なものではありません。
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南極大陸
- 南極大陸は、面積1,400万km2の世界で5番目に大きな大陸です。
しかしその大部分は厚さ平均2,450mの広大な永久氷床で、
山脈や海岸地帯は全陸地の僅か2%しかありません。
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大南極と小南極
- 南極大陸は大きく2つの部分に別れています。半円状の大きな部分は大南極と呼ばれ、その縁は、大西洋、インド洋、南太平洋にかけて南極圏に広がっています。湾曲した尾の部分の根本は小南極と呼ばれています。広い土地と南極半島と呼ばれる細長い部分から成り立っていて、1,200kmほど南アメリカの南端に向かって伸びていて東部太平洋地区に横たわっています。
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切り立った山々
- 大南極は、ほぼ全域が氷で覆われていますが、切り立った山々長く連なり、氷の高原がその頂上を覆い、多数の活動中の氷河によって浸食を受けています。海岸の多くは氷の絶壁ですが、太平洋側では岩石がむき出し海岸線に出会う事もあります。
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南緯90度の南極点を中心として広がっている南極大陸の面積およそ1,300万平方km、日本の37倍の大きさです。大陸の95%以上は厚い巨大な大陸氷―氷床―に覆われていて、露出している岩肌は、わずかに沿岸の一部や氷から頂上を突出させた山々に見られるだけです。
南極大陸がいつ頃から氷に覆われるようになったかは、まだ良く分かっていません。しかし、7千万年以前には恐らく氷は無かったでしょう。2億年以上前の石炭層の存在は古くから知られていましたし、一億数千万年昔の爬虫類であるリストロザウルスも比較的最近発見され、草木が茂り、動物が住む環境にあったことが分かります。
大陸の平均標高は、海に浮いた棚氷の部分を除くと、約2,300mと言われています。南極以外の陸地の平均標高は730mであるので、南極がいかに高い大陸であるかがお分かりになる事とおもいます。もちろんこれは厚い氷に覆われている為であって、この高い陸地であるということと、氷雪に覆われている事が、非常に寒い大陸をつくり出しているのでしょう。ことに北極海地方と比べて、南極地方が20度も気温が低いのは、北極地方の中心部が海であるといった地形の相違にもとづくことが大きいのです。
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この南極大陸も地質学的には大きく二つに分けることが出来ます。
昭和基地の含まれる東半球にある部分が東南極大陸で、おもにプレカンブリア紀の10億年から30億年昔に固定し、その後5億年ほど前に一部若返り現象の起こった片麻岩や花崗岩から出来ています。一方は、ロス海とウエッデル海を結んだほぼ西半球に含まれる西南極大陸で、ここには、古生代から第三紀までの変成岩、花崗岩、堆積岩が分布し、新しい大山もあって、比較的新しい造山帯に属しています。氷が解けさったとすると、多くの島に分かれるだろうともいわれます。このように、南極大陸は、東南極、西南極の対称的な2つの部分からなっているのです。南極大陸は、今から150年前、地球最後の大陸として発見されました。19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて多くの探検が行なわれ、極点も征服されましたが、その後なお長年の間、時折行なわれる探検の対象としての地域にとどまってきました。しかし、国際地球観測年(1957年~1958年)を契機として行なわれた南極観測によって、その自然に科学のメスが加えられ、私たちの知識はこの20数年間に大きく変化しました。
マイナス80度にも達する厳しい自然にも耐え、南極各地では1,000人近くの科学者が安全に生活しつつ、南極大陸が将来人類に有効に利用されるよう調査にいそしんでいます。南極観測に参加した12ヶ国が中心になって結ばれた南極条約は、こうした利用が平和的に行なわれ、貴重な自然を保護しつつ科学調査を協力して行なえるようにとの意図をもっています。
日本極地研究振興会出版
南極大陸―大極展―より