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ウィルヘルミナ湾(WILHELMINA BAY)
ゲーラーシェ海峡を挟んでブラバンド島に向かい合うようにあるのが南極半島西岸に切り込んだ幅約27kmの大きな湾です。ゲーラーシェ探検隊(1897-99)により発見され、当時のオランダ女王の名が付けられました。
ここは捕鯨時代からよく知られた湾で、湾内に浮かぶ島々の方々に捕鯨母船やキャッチャーボートを舫った鉄の鎖が見られます。湾内はかなり遅くまで海氷が残っている事が多く、海氷下側にぶら下がる植物プランクトンを食べに集まるオキアミを捕食するクジラや各種アザラシ類が良く見られる海域です。ザトウクジラ、ミンククジラ、オットセイ、カニクイアザラシ、ヒョウアザラシそしてそれらを追って狩をするシャチの群も見られるかもしれません。
湾内北部のナンセン島と小さなエンタープライズ島との間にあって、爆薬つき捕鯨砲を発明したスヴェン・フォインの名がつけられたフォイン・ハーバーは、湾内の早い海流に閉じ込められたオキアミの群れを捕食するクジラを追って1920年代を中心に捕鯨母船が集まった場所です。
近くにある、鯨油を満載したまま火災で沈没したガバナー号の残骸は今ではナンキョクアジサシの安全な子育て場所となっています。