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アルミランテ・ブラウン基地(ALMIRANTE BROWN STATION)
捕鯨業者が投錨するのに最も楽で天国のようだと称したパラダイス湾。この地域はズグロムナジロヒメウ、マダラフルカモメ、ナンキョクアジサシの営巣地としても有名です。
アルゼンチンのアルミランテ・ブラウン基地は、パラダイス湾に位置しています。この基地は南極半島本島にあるため、「南極上陸」を目指す観光客にとって、ウォーターボート・ポイントとともに、人気の場所です。
基地の背後は、50mもの急傾斜の小高い丘になっていて、雪のある春と夏の時期には、その頂上からパラダイス湾のパノラマを楽しむことが出来る展望台としての役目を果たしています。頂上直下の氷丘や稜線上の氷河と雪帽に続くクレバスのある箇所は避けてルートを張るべきです。
1984年の火事で焼けのこった建物の名残もまだ姿を残しています。この古い基地はパラダイス湾へと落ちる断崖絶壁の崖と氷壁の間に位置しています。基地の残骸は海抜約10mの場所にあり、コンクリート製の柱が残されています。東側にある小さな小屋が現在たまに訪れる生物学者たちの住居となっています。建物周辺及び沿岸ぞいの岩は火山性の岩であり、ミネラル成分が緑色などの色になって岩表にあらわれています。氷河から突出した丘「ヌナタック」も周辺の氷河で見られます。湾は深く環境から守られています。湾の南端にある氷河はよく崩落を起こします。焼け残った建物跡周辺にゼンツーペンギンが巣を作っています。以前、基地が活動していた頃の灰石炭の跡が残されていて、そこをサヤハシチドリがペンギンたちの「おこぼれ」を狙って駆け回る様子が見られます。サヤハシチドリたちはキバナウの営巣している南側の崖付近にもよく見かけるため、ここで営巣もしていると思われます。キバナウとナンキョクアジサシ、オオトウゾクカモメ、ミナミオオセグロカモメも基地より南側の崖に営巣しています。基地の周りには手ごろな浜がないため、ウェッデルアザラシやカニクイアザラシ、ヒョウアザラシたちは周辺の氷山の上や岩礁、定着氷で寛いでいます。夏が進むにつれて現れる地表にコケ類が繁殖し、キバナウの営巣地周辺には固着地衣類、コケ類、ダイダイゴケも分布しています。
ここでは、多くの氷山とアザラシが見れるパラダイス湾のゾディアック・クルージングに繰り出す格好のスポットともなっています。基地南側の2つのキバナウの営巣地もゾディアック・ボートでアクセス可能です。夏の終わりには巣立ちをした好奇心旺盛なキバナウの幼鳥たちがゾディアック・ボートの周りを泳ぎ回ります。