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エヴァンス岬(Cape Evans)
ロス岬の西側に位置し、ロイズ岬とハット岬の中間にあるのがエヴァンス岬の探検小屋で、史跡小屋の中で最も有名かつ最大なものです。1910~13年に第二次スコット探検隊が使用した小屋で、この遠征では南極点から戻る途中のスコット、ウィルソン、バウアーズ、オーツ、そしてエヴァンスが命を落としました。1913年にスコット隊生き残りの隊員が引き揚げる際、この小屋に大量の食糧、資材、そして多少の衣類を残していきました。これが後にシャクルトンの英帝国南極横断探検の際、ロス海支援隊(1914~17年)10名の隊員の命を救う結果となりました。1915年5月、荷物の陸揚げ作業中にオーロラ号がブリザードに煽られて外洋に流されてしまい、10名の隊員はこの小屋に取り残れてしまったのです。越冬中死亡した3名を除く残りの7名は、1917年になってシャクルトン自身が救助しました。シャクルトンはエレファント島に残された隊員たちを救助した後、ブリザードに流されてニュージーランドにたどり着いてオーロラ号に乗ってロス海支援隊の救助に向かったのでした。今もオーロラ号の引きちぎられた錨2基が浜辺に残り、付近には食料や燃料として殺したウェッデルアザラシの遺骸が見られます。小屋の中には間に合わせに作った長靴を始め、衣類や工芸品が残されています。この小屋の訪問は悲しい出来事を思い出させるものでもありますが、同時に生涯忘れられない体験となる事でしょう。