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スコット基地(Scott Base)
ロス島のスコット基地はマクマード基地からおよそ4kmの位置にありニュージーランド南極計画(NZAP)の現地本部です。1957年に建設されたこの基地には宿泊施設、作業場、実験室があります。夏期には野外調査隊の支援も行う80名が運営しますが、冬期には15名に減ります。NZAPは米国南極計画部と密接な協力関係にあり、米国空軍の飛行機と共にニュージーランド空軍機も利用してクライストチャーチ、マクマード基地間の長距離飛行を行っています。スコット基地とマクマード基地の間の丘の上に設置された風力発電機はかなりの電力を供給しています。
NZAPは毎年およそ30にのぼるプロジェクトを支援しており、250名ほどのスタッフが関わっています。最近のプロジェクトではゴンドワナ大陸の地質発達史、海氷の性質、魚類、ペンギン、トウゾクカモメ、それに南極の湖に関しての生物学的研究などが含まれています。最近の調査では人間活動が及ぼす影響、生物多様性と生態系、気候プロセス、及び陸上の進化に焦点が当てられています。
2009年から探検小屋などからの人工遺物を扱う保全研究室が開かれました。英連邦南極横断探検隊(1956~57年)に使用された建物で博物館と静かな空間があります。
スコット基地とマクマード基地の中間にはオブザベーション・ヒル(230m)があり、体力のある人であれば頂上まで登る事が出来ます。頂上にはマホガニーゴムの木で作った大きな十字架がありますが、これは1913年にスコット隊の仲間たちが極点からの帰路死亡したスコット以下5名の慰霊のために建てたものです。十字架には極点から帰途、命を落とした5名の極点隊の名前と共に、詩人テニソンによる「ユリシーズ」という詩の中からの一節が彫られています「人生を模索せよ、探求せよ。発見せよ。何物にも屈することなく」