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- エリア: 北極
- スヴァールバル諸島(ノルウェー領)
ヴァルソルブクタ(Varsolbukta)
北緯77.76度 東経14.32度
ヴァルソル湾はベルスン入り江の北岸、ヴァン・ミェン・フィヨルド入り口近くにある浅い湾で、ノルウェーのスヴァールバル探検隊(1914)が使った沿岸警備艇ヴァルソル(春の光)号の名前が付けられた、荒々しい山々と美しい景色が圧倒的です。インゲボルグ山(Ingeborgfjellet)の断崖とそれに続く瓦礫の斜面は何万羽ものヒメウミスズメの営巣地です。そこからの栄養豊かな雪解け水でふさふさとした緑の絨毯のようなコケと草が育ち、本土より足の短いスヴァールバルトナカイの群れがゆったりと草を食べています。上陸予定地のキャンプ・ミラー(Camp Miller)にある2棟の小屋は湾内中央部にあるキャンプ・ベル(Camp Bell)にある3棟と共に北方開発会社(英国)が1910年代の金鉱探しの基地に使った頃のものです。近くにはその頃の横杭とトロッコ線路などが残っています。北方開発会社は夢多き山師アーネスト・マンスフィールド(英)が発起人となって1910年に出資金25,000ポンドで発足した、大理石や亜鉛・鉄・石綿・金などのスヴァールバル地下資源採掘を目的としたものでしたが、他の多くの投機的事業同様、思惑は全て失敗に終わってしまいました。出資金が最終的に100万ポンドにまで増えていた北方開発会社は、手持ちの土地をノルウェー政府に1万ポンドで売却し1929年破産してしまい、英国の領有権主張も聞かれなくなりました。©Rlindblad20180510