2022年03月10日 |
【南極ニュース】シャクルトンのエンデュランス号発見 |
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【シャクルトン探検隊】
南極の探検史で最も有名な1つシャクルトンの南極大陸横断の際に利用されたエンデュアランス号。
ウェッデル海に沈んだこの船が、107年の時を経て、発見されました。木造船のこの船は、非常に状態が良く、水中文化遺産として保護されるようです。
混沌とした世の中、素晴らしい浪漫あふれたニュースです。
エンデュアランス号はイギリスが派遣した帝国南極横断探検隊の船です。
アーネスト・シャクルトンが率いた帝国南極横断探検隊の目的は、ウェッデル海から南極点を経由してロス海に到達する史上初の南極大陸横断を達成することでした。
1914年8月8日にイギリスを出港し、12月5日サウスジョージア島を経て南極に向かいましたが、エンデュアランス号はウェッデル海の分厚い流氷に行く手を阻まれ閉じ込められてしまい、1915年の秋に氷に押しつぶされ沈んでしまいました。氷上に残された28名の隊員たちは救命ボートで氷の海を漂いながらエレファント島に辿り着きました。
しかし人間の住めないこの場所では救助される見込みがないことから、シャクルトンと5名の隊員は、約1,500km離れたサウスジョージア島の捕鯨基地に救助を求めて小さな無甲板の救命ボート荒れ狂うスコシア海に船出したのでした。
この探険は絶望的な困難を乗り越えて全員の隊員たちが生還した歴史上の劇的な物語として知られています。
一方、ロス海チームは多くの困難にかかわらず南極点からロス海に至る補給基地を作る任務を完遂していましたが3名の隊員が亡くなってしまいました。
2022年3月、ウェッデル海に沈んだエンデュアランス号は、107年の時を経て発見されたのです。
この発見はフォークランド海洋遺産財団(THE FALKLANDS MARITIME HERITAGE TRUST)によって組織され、資金提供された「エンデュアランス22(Endurance22)」調査隊の努力の賜物です。海洋考古学者、エンジニア、科学者、技術者からなる学術的かつ国際的なチームで結成し、経験豊富なスタッフと協力して調査が行われてきました。
この調査では自律型水中ビークル「Sabertooth」を利用して沈没した海域から約6km離れた、3,008mの深海に沈んでいる「驚くほど保存状態のいいエンデュアランス号」を発見しました。この難破船は南極条約により史跡および遺物として保護されていることから、「研究者たちは外部から見ることはできても、触れることはできない」とのことです。
2022年3月9日、ホワイトデザート社から連絡がありました。
このチームにホワイトデザート社から8名のスタッフが参加し、探検隊の安全と生存を確保する重要な役割を担いました。
(備考)クルーズライフはホワイトデザート社の日本での販売代理店です。
ホワイトデザート社はケープタウンから南極大陸へプライベートジェットを利用し、
南極点やコウテイペンギンの営巣地を訪れるラグジュアリーなツアーをご案内しています。
南極大陸ツアーにご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。