未だに続く氷河時代
地質学的証拠によると、つい500~600万年前位まで南極地方では温帯性気候が続いていたのですが、400万年前までには最初の南極の氷河が海岸線に到達して氷山が生み出されていました。これが大陸周辺に広がり現在の南極氷河時代が始まったのです。
南極氷床が形成された影響は世界中に及ぼされましたが、興味深いのは北半球の氷河時代は少し遅れて始まり(200~300万年前)そのとき万年氷が中央ヨーロッパやアジア、北アメリカ、グリーンランド、アイスランドの山々を覆ったのです。
これらの氷冠は北半球ではここ百万年の間にかなり変動しましたが、南極氷床は比較的安定しています。
しかし氷河のモレーン(堆積)や氷の表面より高い山の頂上に見られる氷河の擦過傷などによって証明される様に、南極の氷床にも小さな変化が起こっています。大陸のほとんどが海底のモレーンの尾根によって沖合い100~300㎞の所、深さ500mで取り囲まれていますが、それは以前、氷のマントルの縁であったことを示しています。
(南極旅行&南極クルーズ5-30)