最も標高の高い大陸
氷床も含めると、南極大陸は世界で最も標高の高い大陸です。最高地点は小南極のウェッデル海沿い、エルズワース山脈にあるビンソン・マシフ(4,095m)です。
他にも3,000mを越す山が数多くありますがその殆どは厚い氷に覆われています。
大南極を覆っている氷床はドームAで4,095mの高さに達しますが、小南極の氷床の平均高度はその半分以下です。
南極で一番広大な山系である南極横断山脈はウェッデル海のコーツ・ランドから大陸の反対側にあるロス海のビクトリア・ランドまで4,000km に及んでいます。
中央部は約2,000㎞ がむき出しで、巨大な氷床のドームを押し留めています。
しかし氷河はこの山地も押し分けて移動し、徐々にロス棚氷に合流します。
大南極にはもうひとつ、すっぽりと全体が氷のドームに覆い隠された巨大な山脈があります。大西洋とインド洋側の海岸沿いにも別の山脈がありますが、氷に埋まった山頂や岸壁が少し覗いているだけです。これはイヌイット語でヌナタク(岩峰)と呼ばれています。
これらの大きな山脈の間には広い低地や盆地が広がっていますが、そうした土地は大陸の中で最も分厚い氷に覆われています。南極点そのものは海抜2,835mで氷床の上にありますが、海抜と氷の層の厚さは同じ位です。下の基盤は大体海面と同じ高さにあります。大南極では基盤岩がその上に乗っている厚さ4,000mにも達する氷の重さの為にしっかりと海面下に押し下げいます。
南極大陸の基盤はたいていその上にある氷の重さが数百メートル押しつぶされている様です。
ある研究によれば覆っている氷が完全に無くなった場合、大南極は約1,000m、小南極は約500m隆起すると予測されるそうです。同時に氷が溶解して生じる水量の為に地球の海水面は60m以上上昇し、地球の多くの部分が水没する事になります。
(南極旅行&南極クルーズ5-9)