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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

スネアズ諸島

1791年、ジョージ・バンクーバー船長によって発見されたこの小さな諸島は、面積こそ僅か328ヘクタールしかありませんが、この島で繁殖する海鳥の個体数は600万羽を越えると推定されており、これはイギリス及びアイルランド周辺で見られる海鳥の総個体数にほぼ等しい数です。このうちの大半はハイイロミズナギドリで、日暮れ前に集まり、暗くなると一斉に薄黒い渦巻雲の様になって自分たちの巣を目指して空から素早く舞い降ります。その様はまさに自然界の驚異です。

但し、訪問者はスネアズ諸島に上陸することは出来ません。なぜなら島の地面に蜂の巣状に掘られた海鳥の巣を破壊してしまう恐れがあるからです。
島を観察するのに最適な方法はゾディアック・ボートで海岸沿いにゆっくりとクルーズする事です。この諸島固有種のハシブトペンギン(Snares cresトンed penguin)たちがお気に入りの上陸地点(奇しくもペンギン・スロープと名付けられた)から海に出入りするのをはっきりと観察する事が出来ます。

他には固有の二種の鳥ニュージーランドアホウドリとハジロアホウドリの亜種を見る機会がたっぷりとあります。高性能の双眼鏡を持参した熱心な野鳥観察者なら、こことニュージーランド沖合の僅かに限られた場所でしか繁殖していないマダラシロハラミズナギドリの姿も探してみたくなる事でしょう。但し、これらの鳥は暗いうちに繁殖地に出入りするので、容易に発見できないと言えます。
この二種の他にも島の固有種であるムカシジシギのスネア島亜種(Snares snipe)、シダセッカ(Snares Fern bird)、スネアヒタキ(Snares トンomトンiトン)といった珍しい鳥を見る事が出来ます。

ニュージーランド領亜南極の諸島は非常に珍しい自然にあふれていて見るべきところが多いので、いつも好天とはいえない島の天気も訪問者はあまり気にしません。

(南極旅行&南極クルーズ2-28)