マクマード基地
南極大陸最大の科学研究基地マクマードは米国南極プログラムの兵站業務の中心となっています。
基地が位置しているマクマード入江は1841年のジェームズ・クラーク・ロス探険隊の中尉アーチボルト・マクマードにちなんで名付けられたものです。マクマード基地は1955年にロス島の最南端近くに、スコット隊のディスカバリー小屋に隣接する形で建設されました。
夏期には1,200名を収容し、冬期は180名近くまで減少します。辺境の鉱山町とハイテク近代都市を融合した様なこの基地には最新実験設備、修理工場、居住区、オフィス、消防署、発電所、海水脱塩施設、商店、クラブ、喫茶店など100近くの建物が並んでいます。
基地の建物の多くは永久凍土層を痛めつけたりしない様に組み立てられた支柱の上に建てられており、地上に張り巡らされている水道、下水、電話、電線などで連結されています。超大型軍用機が、10月から12月まではマクマード入江の海氷に作られた滑走路を利用しスタッフや緊急物資の輸送のためにニュージーランドのクライストチャーチと基地の間を往復します。それ以後はスキーをつけたC-130輸送機が近くのロス棚氷に作られたスキー滑走路を利用して2月まで運行を続けます。
1月になると2~3隻の貨物船がマクマード基地を訪れ燃料、食料、建築資材を始めとする1年分の物資や装備を補給します。マクマード基地はニュージーランド、イタリア、ロシアの各基地のための兵站基地としても利用されています。
この地域で観測している分野は海洋・陸生生物学、生物医学、氷河学、気象学、高層大気圏学などです。
(南極旅行&南極クルーズ2-20)