ロス棚氷
南極大陸にある巨大な湾か入江とも言える広大な面積をびっしりと埋め尽くしているのがフランス全土とほぼ同じ大きさのロス棚氷で、文字通り棚状の氷の塊が経度180°線の東西に広がっています。氷の厚さは北側の400mから南側の1,000mと次第に増えています。棚氷は毎年1㎞程度の割合で海側に向かって押し出されて、先端部分からは定期的に巨大な氷山が分離します。
ロス海の西側にあって、大陸とはマクマード入江で隔てられているロス島は活火山のエレバス山(3,794m)とそれよりやや低いテラー山が島のほとんどを占めています。1979年11月、ニュージーランド航空の南極遊覧飛行中の旅客機がホワイト・アウト(視界ゼロ)という最悪の気象条件の中でエレバス山腹に墜落し、搭乗者257名全員が死亡するという惨事が起こりました。
この事故以後、何年も南極大陸への観光遊覧飛行は再開されませんでしたが、現在は、カンタス・オーストラリア空港が運行しています。
ロス島は南極点への主要三探検隊の出発点であり、4度目の探検でも重要な役割を果たしました。現在ロス島には南極最大の観測基地であるアメリカのマクマード基地、それにニュージーランドのスコット基地があります。
(南極旅行&南極クルーズ2-15)