ロスアザラシ
ロスアザラシはおそらく全ての鰭脚類の中で最もその生態が知られていないアザラシです。群れを作ることがなく南極大陸周辺沿いの分厚い流氷群の上で生息する為、見つけるのが難しいのです。このアザラシは1839年から43年の英国南極探険隊ジェームズ・クラーク・ロス船長によって発見されました。
その後、大型の砕氷船が遠く離れたアザラシ生息地に航行するようになるまでの数百年間に目撃報告例はほんのわずかです。
雌雄は大きさ、姿とも同一です。2.8mまで成長し背中は暗い緑色がかった灰色でお腹にかけて次第に淡い灰色となっています。頭は小ぶりで鼻づらが短く、喉から脇腹にかけて明るい縞模様があります。目は大きく突き出ており、氷の下の暗い海の中でも餌を見つけたり障害物を避けたりすることができます。
ロスアザラシは他のアザラシと比べるととても長くて発達したひれを持っています。門歯と犬歯は主食のイカ(ほかに魚やオキアミも食べる)を捕る為に精巧で鋭く、後方に反っています。声はよく響き「歌うアザラシ」などとも呼ばれます。
さまざまな調子で鳴く声がかなり遠くまで聞こえます。
繁殖の習性については殆ど何もわかっていません。
(南極旅行&南極クルーズ6-44)