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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

モグリウミツバメ科

モグリウミツバメは南半球でしか見られない海鳥です。小型のずんぐりした鳥で4種とも形、羽衣、飛翔の特徴がほぼ同一です。基本的な特徴は上半身が黒く、下半身が白いことで、それに短い翼、脚、尾そして鼻孔が前ではなく上に向かって開いている小さなくちばしが特徴です。

モリウミツバメは飛ぶのがあまり上手ではなく、それほど遠くへは行けません。
水中から急に飛び出すとすばやくわずかに旋回し、それからまた水中に潜る習性があります。姿は小さなウミスズメ、あるいは北半球にいるヒメウミスズメに似ているので、それの南半球版だと思われます。繁殖地からの行動半径は広いのですが、沿海水域から離れた場所ではほとんど見かけません。

モグリウミツバメの主食は小魚のみで、水に潜って魚を追いかけ、短く曲がったくちばしを使って捕まえます。ペンギンと同じように羽根を使って水中を進みます。
鳥類学者はペンギンとモグリウミツバメは良く似た習性を持つ先祖から進化したに違いないと見ています。

モグリウミツバメは殆ど飛ぶ力を失っています。換羽期には全く飛べないまま、ペンギン同様の行動をとりながら数週間すごします。繁殖は島の地面に長い巣穴をつくります。他の管鼻類同様、この鳥も一度に一つしか卵を産みません。卵は雌雄交代で8週間ほど温めます。親鳥が毎日雛に餌を与える育巣期間は7~9週間です。

(南極旅行&南極クルーズ6-29)