暖かい毛皮の外皮
アザラシやオットセイには2種類の体毛があります。
粗くて長い粗毛外毛と短い縮れた内毛(線毛です。殆どのアザラシ類は1本の外毛につき内毛は僅かに2~5本しかないため、断熱材としての外毛の価値はあまりなく、熱の放出を防ぐのはもっぱら皮下脂肪に頼っています。
しかしながらオットセイは1本の外毛につき70本の内毛を持ち、これがとても優れた断熱価値を持った外皮となるのです。残念ながらその密生した豪華なオットセイの外皮は最近まで商品として尊重されてきました。実際に一度群生地が発見されるとその個体群のほとんどが乱獲され絶滅に近くなったため、次々と新しい漁場が求められて19世紀初頭の南極大陸発見につながったのです。
(南極旅行&南極クルーズ6-13)