羽根
鳥は羽根が濡れても水浸しにならないようにする必要があります。水は空気の約25倍も熱を伝導するため、きわめて急速に体の熱を奪います。
南極の鳥のほとんどは尾の付け根のあたりによく発達した尾脂腺(脂肪分泌腺)を持っています。
羽づくろいするときにこの油性の分泌物を羽毛全体にこすりつけて羽根が水滴をはじくようにします。
その上、鳥には耳とか尾のような表皮近くに血管が多く走っているような露出部分がありません。足やくちばしにも、殆どあるいは全く血管がありません。
これで血液が冷却されるのを防いでいるのです。
ペンギンは海鳥の中でも最も水に適応した鳥ですが、最大限に断熱できるように進化した羽根を備えています。たいてい羽根が狭い索に生えていて、羽根をふくらませて羽根が生えてない皮膚を覆います。
しかしペンギンはもっと多くの羽根を持っているので体の表面全体を濃く密集した羽毛で覆うことができます。魚のうろこの様な外側部分は細かく重なっていて全くといっていい程、風や水を通しません。下の方の骨幹にはふさふさした毛が生えていての断熱層になっています。ペンギンはまた、羽根の他に厚い脂肪層である皮下脂肪も持っています。
逆に断熱性に優れているあまりにペンギンは暖かい気温にはうまく適応できない構造を持っています。脚部の外皮には他の鳥以上に血管がめぐらされており、必要な場合はこの血管を用いて熱を放出します。このような理由で水から出たばかりのときは脚が白くなっているのに、巣ごもりしたり、ねぐらについている時の脚は、ピンク色になっているのです。
(南極旅行&南極クルーズ6-11)