陸上動物
南極大陸では陸上動物は気温の激しい変化に耐えなければなりませんが、水中動物はもっと安定した温度の中で生きています。
凍結状態から生き残る為に、昆虫やダニ類は細胞内に氷ができるのを防がなければなりません。同時に内臓、血管、細胞間の隙間などの部分にゆっくりと氷を取り入れてゆきます。少なくともある種の動物は低い気温に晒されると脱水してしまった様に見えますが、これで塩分、糖分、その他の成分を組織のなかに濃縮させて氷結点を下げているのです。
細胞が凍結中に破裂する事がなければ、その動物には生き残るチャンスが十分にあるわけです。凍結に耐える昆虫やダニ類はグリセリンのような凍結防止物質を合成する事によりますが、細胞中の水分率を下げて体の組織を凍結から守るのです。
南極海の環境は非常に安定していますが、その水温は淡水の結氷点に近いか、それ以下です。多くの無脊椎動物が塩分、グルコース、アミノ酸などの有機化合物を蓄積することで体液の氷結点を下げています。
(南極旅行&南極クルーズ6-8)