南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

豊富な海洋生物

植物とは逆に南極大陸を取り巻く海には沢山の生物が棲息しています。
夏には渡り鳥や哺乳類が海岸地域に、その他の季節には海氷の上で、非常に多くの個体を見る事ができます。南極の海にこれほど多くの生物が存在するのにも3つの理由があります。第一に海水が非常に冷たいことです。
(冷たい水は温かい水に較べると二酸化炭素や酸素のような油溶性ガスをより多く含んでいます)
第二に風が嵐にあおられて湧昇したり、強い海流となって流れたりすると、必須の栄養塩である燐酸塩、硝酸塩、その他の鉱物質が浮遊したままとなるため植物プランクトンが膨大に成長する糧とすることができることです。
第三に夏場の長い日照時間が持続的な光合成を促すことです。長い日照時間は南極の植物連鎖の基盤をなしている藻類の急速な繁殖を促進します。
南極の植物プランクトンは主に小さな珪藻類(二酸化珪素でできた細胞壁をもった単細胞植物)と渦鞭毛虫からなっています。南極収束線が実際には生物地理学上の境界となっています。というのもこの収束線の両側では、動植物プランクトン、魚、そして鳥までもが異なった個体群となっているのが見られるからです。

収束線の北では、海底は主に無数の原生動物の抜け殻で形成された石灰質の沈泥(シルト)です。収束線の南の海底はほとんど珪藻類の珪質残骸から成り立っています。南極表層水と亜南極表層水が収束線で接するとき、水温の差のために無数の生物プランクトンが不活発になるか死んでしまいます。このような理由で海鳥が収束線の周辺に群がってくるのです。

(南極旅行&南極クルーズ6-4)