観光

観光（Tourism）

南極では近年観光が盛んに行われています。南極の環境は他の地域と異なるため、普通の旅行の様に自由に行動する事はできません。南極でのルールを知り、厳守しましょう。

1950年代、各国の軍用船や飛行機、捕鯨船を利用し、南極に最初の観光客が訪れました。ここから徐々に観光への需要が増えていき、1969年には、探検観光の先駆者である、ラース・エリック・リンドブラッドが南極へ数十人もの観光客を連れていくために、探検クルーズ客船「リンドブラッド・エクスプローラー」を建造しました。

1990年代に入ると、南極での観光は大きく成長し、1992年～1993年シーズンには約6,000人、現在では年間約30,000人もの観光客が南極を訪れています。

南極観光の成長のきっかけとなったのが、IAATO（南極観光ツアー業協会）の設立でした。これは、ルールを定め、南極での観光業の実施を促進しする事を目的としています。1991年の設立時には7名のメンバーで構成されていましたが、現在では100以上の企業や団体が加盟しており、南極の観光産業の90％以上を占めています。

IAATOは南極観光の基盤となっており、観光業者のプロフェッショナリズム、専門性、環境管理を保証しすると同時に、南極観光の多様化を促進しており、現在では様々な方法で南極を訪れる事が出来ます。

以前の南極観光ではドレーク海峡を横断するために日程の半分を費やし、南極半島を訪れるコースがほとんどでした。しかし近年では、様々な方法で南極観光を行う企業が増え始めました。現在では、飛行機を利用するコースや南極点でスキーをするコースなど、様々な事が可能になっています。

南極大陸をさまざまな角度から見るために、もっと近づこうとするために、隠された神秘的な大地・南極大陸の秘密を謙虚に理解しようとしています。

（南極旅行／アンタークティカ21南極ハンドブック11)