気候
気候(Climate)
南極大陸が惑星の最も住みにくい地域の1つであるという事実は、地球のはるか南にあるその地理的位置が原因です。日射量は最少で年間を通じで均等に分散していないことは、並外れた季節変化が生じることに通じています。夏至(12月21日)は、太陽が1日中地平線上に見えている南極が最も光を受ける期間に相当します。逆に冬至(6月21日)は、南極圏の南では太陽が見えなくなる時期です。夏季は、太陽が1日中空に輝いています。氷の高い屈折力は宇宙から受け止めた放射の80%近くを反射しさせ、エネルギーの分散をもたらしています。凍った大陸の巨大なサイズを考えると、この要因が大幅な熱損失を引き起こすことは容易にわかります。
一般的に気象条件は、大陸全体を通して均一ではなく、内陸部では厳しい傾向があります。平均気温は、沿岸部から下がっていく傾向があります。1983年7月21日には、ロシアのボストーク基地にて最低気温-89.6℃が記録されました。夏季の気温は、沿岸部では0℃近くを前後し、内陸部では-15~-35℃となります。冬季の気温は、沿岸部で-15~-30℃となり、内陸部では、-40~-70℃となります。
信じられない事のように聞こえますが、南極は地球で最も乾燥した地域の1つであり、降水量は、サハラ砂漠よりもさらに少なくなっています。
年間積雪量の平均は120〜140 mmで、これは依然として氷冠の永続化を保証するのに十分な量です。南極半島の北の地域は降水量が最も多く、年間最大800 mmで雨が降ることもあります。
南極の滑降風(カタバ風)は、その力でよく知られており、時速200 km以上で吹き付ける事があります。高原の氷の表面との接触によって冷却される内部からのこれらの空気の塊は、重力と極冠の永久的な高気圧によって海岸に滑降し始めます。これらの風は極端な温度に関連付けられています。そして、劇的に減少し、人間の生存にとって非常に危険なレベルに達する熱感覚を生成します。
この特別な特性がある南極の極域大気は光学現象の変化が貢献しています。最も注目すべき光景は、間違いなく南極光のオーロラであり、それは北極光と似た事象です。オーロラは南磁極付近で起こる高層大気での激しい活動により発生するものです。
(南極旅行/アンタークティカ21南極ハンドブック5)