南極の棚氷
南極の棚氷(Ice Shelves in Antarctica)
氷は水より密度が低くいため、氷河が海へ達すると水面に浮きあがります。
氷河に繋がったまま浮き上がった氷河は棚氷と呼ばれ、氷河から分裂した物は氷山になります。棚氷は水に浮いているため、摩擦がほとんどなく氷河より早く移動する傾向にあり、1年に約3kmもの速さで移動します。南極大陸は多くの棚氷に囲まれており、中でもロス棚氷やフィルナー・ロンネ棚氷はイギリスよりも広い面積を誇ります。
棚氷の底は海水と接しており、海水が温かい所では、棚氷が融け、淡水が海へ流れ出します。この水は南極低層水と呼ばれ、海の最深部に広がっています。また、棚氷が割れると氷山になります。棚氷は気候変動の影響を受けやすく、多くの研究者は棚氷の動向を観察しています。
(南極旅行/ポセイドン南極読本8-2)