ヒゲペンギン
ヒゲペンギン(CHINSTRAP PENGUIN)
顎の下にひげのような黒い模様に因んで名付けられたヒゲペンギンは、南極半島を中心に約800万ペアが生息していると推定される、南極地域で最も数の多いペンギンです。ヒゲペンギンは主に甲殻類を食べて生活しています。夏には甲殻類の繁殖地の近くに営巣し、夜になると、海へ採餌に出かけます。彼らは普段水深10mほどの場所で採餌行動を行いますが、時には水深70mまで潜ることもあります。
ヒゲペンギンは氷のない斜面に営巣します。時にはアデリーペンギンやゼンツーペンギンと混ざって営巣する姿を見かける事もあります。一見急な斜面を登れるようには見えないヒゲペンギンですが、くちばしと爪を器用に使い、登っていきます。ヒゲペンギンは毎年同じパートナーと同じ場所で繁殖します。温暖な場所で繁殖するため、アデリーペンギンなどの寒い地域で繁殖するペンギンよりも繁殖期が長くなります。ヒゲペンギンは11月に卵を2個産卵し、約2か月で孵化します。通常親鳥は、2羽の雛を平等に育てますが、餌の豊富さなどによって雛の生存率は左右されます。
(南極旅行/ポセイドン南極読本7-1-9)