アデリーペンギン
アデリーペンギン(ADÉLIE PENGUIN)
アデリーペンギンは黒い背中と白い顔とお腹のペンギンで、タキシードを着ている様な姿をしています。アデリーペンギンの名前はフランスの探検家、デュモン・デュルヴィルの妻、アデリーに因んで名付けられました。南極大陸に生息するこのペンギンは冬の間、流氷の上で生活し、夏になると南極沿岸に戻ってきます。アデリーペンギンの群れは南極大陸の外洋から離れた斜面や島々に生息しています。主食はオキアミで、通常は水面近くで狩りをしています。海深くまで潜る事もでき、水深約175mまで潜った記録が残っています。
アデリーペンギンの繁殖はペンギンの中で最も短い事で有名です。オスは過酷な環境の中、海氷の上を歩いて繁殖地を目指します。オスが到着した数日後メスが到着すると、オスたちは羽を振ったり鳴き声などで求愛をします。11月中旬になると2つの卵が産み落とされ、12月下旬ごろに孵化します。雛は生後3週間でクレイシ(保育園)に加わり、2月中旬には海に出ます。
アデリーペンギンの雛は、クレイシ(保育園)に加わる段階まで、非常に脆弱で、それまでに多くの雛が死んでしまいます。しかし一度海に出てしまえば比較的安全で、16年以上生きる事が出来ます。アデリーペンギンの死亡率はペンギンの中で最も高い数値ですが、個体数は250万ペアで、ペンギンの中では、比較的多い個体数を維持しています。
(南極旅行/ポセイドン南極読本7-1-8)