ペンギンの個体数と繁殖
ペンギンの個体数と繁殖(NUMBERS AND BREEDING)
南極に生息するペンギンのペアは、約2,000万ペアと推定されています。広大な面積を誇る南極ですが、ペンギン達は主に沿岸部に密集して生息しています。南極の厳しい寒さを耐えるために、身を寄せ合うコウテイペンギンの営巣地では、1㎡に約19羽もの密度になります。ペンギンにとって繁殖はタイミングが重要です。1年中赤ちゃんを産むことのできる人間とは違い、ペンギン達は、餌が豊富な時期に雛が羽化出来るように細かく調整し、繁殖を行います。
ペンギンは環境に非常に敏感な生き物です。エサの豊富さ、海氷の割れ具合など、環境によって繁殖の成功率が大きく変化します。このため、環境によっては数匹の雛しか生き残れないこともあります。ペンギンの繁殖は、様々な事に影響を受けやすいため、経験豊富な高齢のペンギンの方が繁殖の成功率が高いと言われています。
コウテイペンギンとキングペンギンを除くほとんどのペンギンは通常2つの卵を産みます。抱卵中には両親が交代で海に出て採餌します。交代の間隔は種類によって異なり、短い種類で1日、長い種類は1カ月もの間、採餌行動をします。生まれた雛は独身の大人に見守られながら、雛同士で集まってクレイシ(保育園)を形成します。これは、両親とも狩りに出る事が出来る事や、捕食者から逃れる事ができるなど、様々なメリットがあります。
(南極旅行/ポセイドン南極読本7-1-6)