ペンギン
ペンギン(Penguins)
ペンギンは南極に生息する動物の中で特に人気の動物です。南極の象徴と言われるペンギンですが、主に南極大陸で繁殖するのはコウテイペンギンとアデリーペンギンの2種類だけです。他のヒゲペンギン、ゼンツーペンギン、マカロニペンギンは、南極大陸の中でも比較的温暖な南極半島にも繁殖地がありますが、主な繁殖地は南極周辺の島です。南極半島より暖かい亜南極の島々にはキングペンギンが繁殖しています。
南極のペンギンは、印象的な白黒の羽毛を持っています。種類によっては、黄色い斑点を持つものや、眉毛に色がついているものがいます。
南極に生息するペンギンは似通った体形をしていますが、大きさは種類によって異なります。体重1.1kg、体高約40cmの小さなペンギンから体重40kg、体高115cmのコウテイペンギンなど、その大きさは様々です。
翼や羽をもつペンギンですが、彼らは飛ぶことが出来ません。その代わりに、ペンギンは全ての鳥の中で最も上手く泳ぐことが出来ます。種類によっては、1日の約75%の時間を海で過ごす事もあります。
ペンギンはその硬く短い翼で水中の中を飛び回ります。体の後ろ足と尾で舵をとり、水中では時速10kmの速度で泳ぐことが出来ます。彼らは常に水中にいるわけではなく、息継ぎやエネルギー節約の為に、数メートル間隔で、水面から飛び出しながら泳ぎます。ペンギンは通常水深約10mまでしか潜ることはありませんが、時には水深250mまで潜ることが出来る優れた潜水能力を持っています。他の鳥たちの骨は、空を飛ぶために密度が低く軽くなっていますが、ペンギンは潜水をするため、密度の濃い重い骨を持っています。
陸上では可愛らしいイメージのペンギンですが、水中ではライオンの様な獰猛なハンターになります。ペンギンの足は効率よく泳ぐため、後ろに反っています。水中では活躍するこの足ですが、直立した姿勢で歩くのには向いておらず、ヨチヨチ歩きになってしまいます。この姿はペンギンの魅力の1つです。
意外なことにペンギンは陸上でも俊敏に動くことが出来ます。氷の上をお腹で滑ったり、翼と足で素早く移動します。また、イワトビペンギンなどの一部の種類は、体に比べて驚くほど高い位置まで飛び上がる事が出来ます。
(南極旅行/ポセイドン南極読本7-1)