ホッキョクグマ
ホッキョクグマ(Polar bear)
ホッキョクグマは北極圏のシンボルです。海洋哺乳類とも言われますが陸上最大の捕食者でもあります。オスの体重は最大700kgにも達し、寿命は約25年程です。ホッキョクグマの個体数は約26,000頭と推定されています。
ホッキョクグマは好物のワモンアザラシを狩るために、殆どの時間を海氷の上で過ごします。彼らの嗅覚は発達しており、数キロ離れた所にいるアザラシを見つける事が出来ます。ホッキョクグマは泳ぎも得意としており、強靭で大きな足を使い時速約9kmで泳ぐことが出来ます。また、長い距離を泳ぐこともあり、9日間ノンストップで687kmもの距離を泳いだ記録が残っています。
ホッキョクグマは北極圏に生息する他の動物と同様に北極の厳しい環境に適応しています。例えば10cmもの厚さを誇る皮下脂肪は、北極の寒さから体温を守っています。このため赤外線カメラではホッキョクグマは、ほとんど映りません。
イヌイットは伝統的にホッキョクグマを狩猟していました。近代のホッキョクグマの狩猟はヨーロッパ人が初めてホッキョクグマを発見した時に始まりました。現在では、ホッキョクグマのスポーツハンティングは規制され、ホッキョクグマ製品の取引は制限されています。特にノルウェーでは、ホッキョクグマの狩猟が厳しく禁止されています。
・ホッキョクグマは氷上で狩りをする際に目立つ黒い鼻を白い前足で隠すという伝説があります。しかし、この行動はまだ確認されていません。
・ホッキョクグマの生息地はグリズリーの生息地と重なる部分があります。通常、彼らはお互いを避けていますが、稀にホッキョクグマとグリズリーの交配が確認されています。
・ロアール・アムンセンは、北極点に到達するためにホッキョクグマにそりを引かせる事を計画していました。しかしアムンセンはホッキョクグマがヒグマと違って訓練できないことを知りませんでした。以前にも犬が不足していたゲオルギー・セドフが子熊にそりを引かせようとしましたが上手くいきませんでした。この計画はロアート・ピアリーが自分より先に北極点に到達したため中止されました。
(北極旅行/ポセイドン北極読本12-1)