北極の動植物
北極の動植物(ARCTIC FLORA AND FAUNA)
北極圏では永久凍土に覆われており、場所によっては、地表から数百メートル下まで凍っている場所もあります。夏になると一部の氷は融け、乾燥した高地に湿地帯の土壌が現れます。そのため北極圏の植物は、霜が降りる厳しい冬と、30℃を超える夏の気温、この両方に耐えなければなりません。
針葉樹が生い茂るタイガベルトの北側には樹木のないツンドラが広がっています。この地域では、小さく地面に密着して生えるチシママメヤナギやヒメカンバが生育しています。
スヴァールバル諸島とフランツ・ヨーゼフ諸島には150種以上の高山植物が生育しています。キョクチトモシリソウは海鳥のコロニーの下で糞に豊富に含まれる有機肥料で大きく成長します。他にも北極圏には多くの地衣類が豊富に生育しています。高山植物や地衣類はツンドラに生息するレミングやホッキョクウサギ、ジャコウウシやトナカイなどの陸生動物の貴重な食糧です。
レミングは北極圏に生息するホッキョクギツネやオオカミ、シロフクロウなどの肉食動物のエサになっており、食物連鎖の中で重要な役割を担っています。
北極圏にはホッキョクグマやセイウチなどの海洋哺乳類が生息しており、海氷に大きく依存しています。北極圏の海には数種類のクジラやアザラシも生息しています。沿岸に生息する鳥類は数多くの種類が確認されていますが、その半数が北極圏に生息し、大きな営巣地を形成しています。北極圏の短い夏の間には、約280種の渡り鳥が巣を作りに飛来します。子育てが終わると渡り鳥達はヨーロッパやアフリカ、アジア、さらには南極へと旅立っていきます。
北極圏の動物や鳥類を全て説明する事はできませんが、代表的なものを紹介します。
(北極旅行/ポセイドン北極読本12)