地衣類
地衣類(Lichens)
すべての植物の中で、地衣類は、厳しい極地気候の中でも生き残るのに最適です。いくつかの地衣類は、南極点から僅か400 kmの地点で発見されました。地衣類は、コケや顕花植物との競争はほとんどありません。そして乾燥と寒さに対するそれらの高い耐性のために主に南極大陸で増殖しました。地衣類の特徴は、それらが単一の均質な生物ではなく、真菌と藻類の2つの異なるパートナーの共生であるということです。
菌類の部分は藻に水と栄養価のある塩を「与え」、地衣類にその形と生殖構造を与えます。この理想的な役割の分担により、地衣類は最も過酷な状況に耐えることができるのです。高度に発達した植物の世界から遠く離れている地衣類は植生の先駆者なのです。地衣類は質素で頑丈なだけではありません。彼らも霜に対する耐性が高いため耐えます。実験では、一部の地衣類は-195°Cの液体窒素浴で生き残りました。
地衣類は、氷の岩にも同じ戦略を採用します。サハラ砂漠の砂の植物:それらは「オアシス」を形成します。彼らの生存の唯一のチャンスは、湿った微気候です。地衣類が南極大陸全体に広がるのを妨げるのは、水が不足するほどの極端な寒さではありません。これが、明るい日差しの中ではなく、岩の間のくぼみや割れ目に落ち着く理由です。
地衣類は、風化した岩などによって出来たやせた土壌を好みます。彼らはしばしば酸の分泌物で岩から土への変換を速めます。隙間に落ちる雪片は、重要な液体を吸収する黒っぽい地衣類で溶けます。特に極度の寒さと降雪が少ない東南極の「ドライバレー」は、存在するのに条件が不利です。しかし、そこでも、科学者はいくつかの岩の北側に黒い覆いを発見し、それは地衣類である事が判明しました。顕微鏡下、地衣類が岩の外層に浸透していることが示されました。それらの暗い色で、地衣類はより多くの光を吸収します。
この戦略により、南の高緯度でも生き残る事が出来るのです。よく見られる地衣類は、大型地衣類のクロヒゲゴケで、盆栽の小さな森のように見えます。最大でも数センチメートルの高さまで育ちます。彼らの年間成長期は年間約120日しかないめ、年間0.01〜1 mmしか成長しません。しかし、地衣類は非常に長生きします。200年というのは珍しいことではありません。 記録は約4500年です。
(南極旅行/ロス海・亜南極10-5-1)