南 極
南 極(ANTARCTICA)
南極圏は、地球の地図を示す5つの主要な緯度の円の1つです。
南緯66° 33’ 39”より南側(南極点に近い側)を南極圏といいます。
南極圏の外側の南極地域は、南極条約で決められた場所で、南緯60度より南側です。北半球の北緯66° 33’ 39”以北は北極圏です。
南極圏のすべての場所では、少なくとも年に1回は24時間連続で昼間が続く白夜と、夜間が続く極夜が発生します。つまり、太陽が沈まない日が少なくとも1日あり、太陽が昇らない日も少なくとも1日あります。南極圏では、これらの現象は、原則として、それぞれ12月と6月に発生し、それぞれ年に1回発生します。これは、地球の地軸が公転面の垂線に対し約23.5度傾いているために起こります。
6月には、南半球は太陽から最大限に遠ざかり、極夜の範囲が北限に達します。12月には、南半球は太陽に向かって最大限に傾き、白夜の範囲が北限に達します。
実際には、他のいくつかの要因が、白夜や極夜に影響を与えます。これらの中で最も重要なのは、大気の屈折、観測の高度、蜃気楼、そして太陽が点ではなく円であるという事実です。南極大陸の蜃気楼は北極地域よりもさらに壮観になる傾向があります。例えば、実際は太陽が地平線の下にあるのにもかかわらず、見かけ上は日没や日の出が起こっている様に見えたりします。地球の軸の傾きは徐々に変化するため、南極圏はゆっくりと動いています。
平均して、南極は最も寒く、最も乾燥し、最も風の強い大陸であり、すべての大陸の中で最も高い平均標高を誇っています。降水量が少ないので、専門的に考えると、海岸を除いて大陸の内部は世界最大の砂漠になっています。人間の永住者はいませんが、ペンギンやオットセイ、苔や地衣類、そして多くの種類の藻類など、南極の気候に適応した植物や動物が生息しています。
南極が北極より寒い理由は2つあります。第一に、大陸の大部分は海抜3km以上で、標高とともに気温が下がります。第二に、北極海は北極圏をカバーし、海洋の相対的な暖かさは浮氷群を介して伝達され、北極地域の気温が極端に低くなるのを防ぎます。
緯度を考えると、白夜や極夜は、世界の多くの地域で人類になじみのない気候を作り出します。南極のオーロラは、一般にサウザンライツとして知られており、南極点付近の夜空で観測されます。オーロラは地球に向かって吹く太陽風のプラズマが大気とぶつかることで発生します。もう一つのユニークな現象はダイヤモンドダストです。これは小さな氷の結晶で構成された地上近くで出来る雲で、晴れて空気の澄んだ日に発生するため、人々は晴天の降水と呼ぶこともあります。幻日は、頻繁におこる大気光学現象で、太陽の横にもう一つの太陽が見える現象です。
南極(Antarctica)という名前は、ギリシャ語の複合語Antarktikaのローマ字版で、「北極の反対側」を意味します。
テラ・オーストラリス(サウザン・ランド)に関する神話や推測は古代にさかのぼりますが、大陸が最初の確認された目撃情報は、ミハイル・ラザレフとファビアン・ゴットリープ・フォン・ベリングスハウゼンの1820年のロシア遠征での事です。
しかし、大陸は、その過酷な環境、資源の不足、孤立した立地のために、19世紀の残りの期間はほとんど無視されたままでした。「南極大陸」という名前を大陸名として初めて正式に使用したのは1890年代で、スコットランドの地図製作者ジョン・ジョージ・バーソロミューが使用したとされています。
(南極旅行/ロス海・亜南極10)