アホウドリへの脅威
アホウドリへの脅威(Threats to Albatross)
気候や生息地の状況の変化、特定の漁業慣行が組み合わさることで、繁殖能力が低いこれらの海鳥にとって大きなダメージになります。例えば、キタシロアホウドリは、現在絶滅危惧種に登録されるほど減少しています。
アホウドリは絶滅の危機に瀕しています。南アフリカのような一部の国では、これを防ごうとしていますが、漁師の延縄漁業に巻き込まれ、年間最大100万羽のアホウドリが殺されていると報告されています。最大の被害者はフォークランド諸島のマユグロアホウドリで、その餌場では1日に1000羽のアホウドリが殺されたと報告されている延縄漁場と一致しています。またニュージーランドのマグロ漁船や延縄によっても多くの海鳥が犠牲になっています。ニュージーランド海域での許可を得て漁をしている日本のマグロ延縄漁では、1988年から1989年の間に年間平均904羽が犠牲になったと報告されています。
バードライフ・インターナショナルは、2 種のアホウドリを絶滅危惧種IA類、3種を絶滅危種IB類、12種を絶滅危惧II類と分類しています。私たちは、いつものように彼らが絶滅したときに本当に厳格な保護がもたらされたのかどうかを知ります。人間は自分たちのためにかなり悲しい世界を作り出してしまったのかもしれません。
最近の研究では、一部のアホウドリの腸の内容物の96%がトロール船の付随漁獲物であることが分かりました。トロール船は、絶滅に追いやられたオレンジラフィーやマジェランアイナメなどの高価な魚だけを捕獲します。
ツノザメ、ギョリュウモドキなどの低価格の魚は、何千トンも破棄されます。他のトロール船は、アホウドリの主な食事であるイカを捕獲しています。この食物連鎖の破壊は、この事から記録されている個体数以上に死亡する個体が多い事を示唆しています。シドニーに本拠を置くOSSAは、1996年以来、オーストラリア海域で延縄漁による144,000羽のアホウドリと400,000万羽のウミツバメが殺害された事を報告しています。
(南極旅行/ロス海・亜南極9-6-4)