ナガスクジラ
ナガスクジラ(Fin Whale)
ナガスクジラは、その特徴的な背びれにちなんで名付けられました。ニュージーランドの海域では珍しい種で、体長は平均20mに達するクジラの中で2番目に長い種として知られています。ナガスクジラは左顎にはない非対称な白い模様が右顎にあります。彼らは80歳まで生きると信じられています。
ナガスクジラは、人間の耳では聞き取れない自然界で最も低い周波数の音を出しますが、それは何千キロも離れた他のナガスクジラに届きコミュニケーションをとることが出来ます。
1960年代、アメリカ海軍の乗組員がクジラの深いうめき声を初めて聞いたとき、彼らはそれが動物の発する音だとは信じられませんでした。
他にもナガスクジラのその長い移動距離と速度には驚くべきものがあります。南極から熱帯地方まで毎年2万kmの距離を移動し、交尾し、子を産みます。「海のグレイハウンド」とも呼ばれ、豊富なスタミナで有名です。
ナガスクジラは平均3,700km以上の距離を、時速17kmで泳ぎます。
南半球の個体数は約2万頭と推定され、捕鯨前の数と比べると激減しています。1950年代から1970年代まで、ソ連の捕鯨船は南洋地域で約72万頭のナガスクジラを殺しました。日本の捕鯨は今もこの種に影響を与え続けています。
(南極旅行/ロス海・亜南極9-5-2)