シロナガスクジラ
シロナガスクジラ(Blue Whale)
シロナガスクジラは、これまでで最大の動物です。平均して、体重は100~120トンで、オスは体長23m、メスは体長24mです。クジラの心臓の重さは2トン、1回の鼓動で約270ℓの血液を送り出します。大動脈は人間の子供が中に収まることができるほどの大きさで、直径は下水管ほどの大きさです。シロナガスクジラに大きな負荷がかかる状態でさえ、その心拍数は毎分20bpm以下です。60〜80 bpmの人間と比較するとその少なさが分かります。1日200ℓ以上の乳をのみ、子供のクジラは毎日90kg体重が増え、生後8ヶ月で乳離れするころには、体重が20トン以上になります。
調査によると大人のシロナガスクジラは、オキアミを中心に1トンの食べ物を胃に含んでいたことが判明しました。シロナガスクジラは、まだらな青灰色です。彼らの皮膚には藻類が付着しており黄色がかった光沢があることから、サルファ-ボトム(硫黄の底)と呼ばれることもあります。彼らの小さな背びれは、体の尾びれ側についています。彼らはすべての水中動物の中で、最も大きな声を出すことができ、その低周波音は数百キロメートルまで届きます。
シロナガスクジラはおよそ時速30kmで泳ぐことが出来ます。そのためモーターボートの発明される19世紀末まで多く生息していました。しかし技術の進歩により20世紀に大規模な狩猟が行われ、その数は激減しました。今現在は南半球で約2,000頭未満と推定されています。南極の夏の餌場と冬を過ごす赤道海域との間の移動では、シロナガスクジラはクック海峡を通ります。19世紀から20世紀にかけて、トーリー・チャンネル捕鯨船が1頭を殺したことがありました。シロナガスクジラはまだニュージーランド沿岸を移動しますが、海岸の近くではめったに見られません。
(南極旅行/ロス海・亜南極9-5-1)