ニュージーランドのクジラ
ニュージーランドのクジラ(WHALES IN NEW ZEALAND)
クジラは、クジラ目と呼ばれる哺乳類のグループに属し、その中にはイルカやネズミイルカも含まれています。ほとんどの人は、大きなものがクジラ、小さいクジラをイルカと呼びます。しかし、私たちがクジラと呼ぶ種の中には、実際にイルカ科に属しているものもあります。ニュージーランドには、シャチ、コビレゴンドウ、ヒレナガゴンドウ、オキゴンドウ、カズハゴンドウの5頭が生息しています。
ニュージーランド周辺の海域には、世界に生息するクジラの約半分にあたる約80種のクジラが生息しています。ニュージーランドは世界第4位の海洋領土を有し、この海域には哺乳類が必要とする食べ物が豊富で、シロナガスクジラの回遊経路になっています。
ニュージーランド周辺の海域に生息することが知られている38種のクジラ目のうち、22種がクジラですが、一般的なクジラは6種だけです。マッコウクジラのような一部の種は非常に目立ち、カイコウラのような町に何千人もの観光客を引き付けます。アカボウクジラはめったに見られず、怪我や病気のときにのみ陸に打ち上げられる事で知られています。
すべてのクジラの体は長く、流線型です。彼らは後ろ足がありませんが、推進力のある強靭な尾を持っています。彼らはしばしば潜水の前に水面の上に尾を持ち上げます。これはフルークアップ/フルークダウンと呼ばれる行動です。
クジラはまた、皮膚の下に脂肪の層があり、その厚さは50cmにもなります。脂肪の層はエネルギーを蓄え、深い水の中でクジラを寒さから守ります。
クジラは30~80年生きると考えられています。
クジラは陸上の哺乳類から進化しました。ある時点で彼らは水生動物になりましたが、陸上の哺乳類のように、彼らはまだ肺呼吸し、出産し、子にミルクを与えます。ニュージーランドには、3,500万年前の初期のヒゲクジラの化石が発見された記録も残っています。
クジラには、ヒゲクジラとハクジラの2種類があります。ヒゲクジラは、ケラチン(人間の髪と爪にも含まれるタンパク質)で作られ、口蓋に固定されたヒゲとして知られている長い剛毛な板状の歯を持っています。オキアミのような甲殻類の食べ物をこのふるいにかけます。ヒゲクジラには2つの噴水孔があります。また、他のクジラとは異なり、エコーロケーション(固形物を見つけるために音を放出する)は使用しません。
ヒゲクジラは、これまでに知られている最大の動物が含まれています。すべての中で最も巨大なのはシロナガスクジラです。これまでに記録された最も重い個体は190トンのメスでした。ヒゲクジラは南に向かう途中でニュージーランドの海域を移動し、南洋に豊富なオキアミを食べにきます。世界の13種のヒゲクジラのうち、8種はニュージーランドで見る事が出来ますが、ニュージーランドの海域で繁殖するクジラはミナミセミクジラとニタリクジラの2種しか知られていません。
ハクジラは、ヒゲではなく歯があり、単一の噴水孔を持っています。彼らはエコーロケーションを通して獲物を見つけ、物体に跳ね返るまで水中を移動するクリックと呼ばれる超音波を放出します。高範囲の周波数を使用することで、クジラは物体の詳細な位置を知ることが出来ます。一部の科学者は、クリックが獲物を気絶させる可能性があると考えています。ハクジラには、ニュージーランド周辺で比較的一般的なマッコウクジラや、くちばしと膨らんだ額の小さな頭を持つ、非常に珍しいアカボウクジラが見られます。
(南極旅行/ロス海・亜南極9-5)