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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

高地にある高原

高地にある高原(The Plateau Uplands)

 

高地にある高原は、マッコーリー島で最も広大な地域で、その全長は、島の頂上部に広がっています。また背の高いタソック草地、短い草地、ハーブ畑、沼地などの保護された場所や寒さと風に露出した地域で幅広く植物群落が見られます。

 

高原の植物群落の構成と構造は、風当たり、排水、土壌の深さによって決まります。さらに歴史的な動物の侵害が植生に影響をもたらした可能性もあります。

 

背の高いタソック草地は、Poa foliosaが占め、保護された比較的露出した状況の高原で見ることができます。そのタソック草は、標高の低い場所にあるタソック草よりも小さく、タソック草というより低い芝地になっていることがあります。

 

短い草地には、Festuca contractaやAgrostis magellanica、Luzula crinitaが占める植物群落が多く広がっています。この地域には、3種類のハーブ畑もあります。これらはAcaena sp.が占め、過去、主に放牧されたウサギの影響によるものでした。ウサギの毛皮や巣穴を作る鳥の羽毛は、種子がくっつき、分散するのを支えていました。シルバーリーフデイジーやStilbocarpa polaris(マッコーリーキャベツ)が占める所は、降水により削られたガリー地形や水はけが良く、保護された場所で成長します。クッションを形成するマッコーリーアゾレラが占める場所は、シルバーリーフデイジーによって保護された、寒さと風にさらされた場所に比較的広く分布しています。

 

地下水位が高く、水はけの悪い場所では、沼地の植物群落が形成されることがあります。高原のぬかるみに発生する典型的な植物は、Agrostis magellanica、Ranunculus biternatus、Juncus scheuchzeroidesやコケのBreutelia pendula、Bryum laevigatumがあります。

 

高原で発生する最も広大な植物群落は、島の表面45%を占め、寒さと風にさらされた場所(フェルドマーク)の植物群落です。マッコーリー島のフェルドマークの植生は、小さな被子植物、蘚類、地衣類、苔類、また多くのむき出しの地面にあります。支配する維管束植物は、クッション植物のマッコーリーアゾレラです。フェルドマークの植物群落は、特に風が吹く斜面のむき出しの地面で、しばしば植生が互い違いに縞々模様に形成されます。この縞模様は、特に風下または、保護された斜面で時々、段丘構造の効果をつけます。

 

この地域に影響を与えている主な要因は、風当たりと土壌の凍結作用です。この地域は、通常、島で最も風が強い場所と考えられます。また高地の草地は、巣穴で営巣するミズナギドリにとって重要な生息地です。さらに過去、ウサギやネズミは、それぞれこの地域に影響をもたらしていました。

 

段丘は、マッコーリー島の高原フェルドマークの植生の構成の要素になります。この段丘は、階段状に並び、中に植物と砂利が互い違いの帯状になっています。それらは斜面にあり、一般的に風下である島の東側にあります。段丘構造は、植物が段差を形成し、砂利が平らな足踏みとなっています。風上の段丘の斜面は、この逆の傾向になります。これはおそらく、島の風上(西側)に段丘が風で形成されている一方、島の風下(東側)にあるものは、ソリフラクションの過程によって形成されています。ソリフラクションとは、氷が土壌を滑り押し下がっていく土壌の侵食作用の一種です。

 

(南極旅行/ロス海・亜南極8-3-2)