植物相
植物相(FLORA)
隆起した海岸の植物(Coastal Terraces Vegetation)
海岸斜面(ビーチスロープ)/マッコーリー島の隆起した海岸段丘は、海岸地帯と海岸斜面の間の地域を占めています。それらは、砂浜や石のビーチで見られるものとはかなり異なる、いくつかの異なる植生形成をサポートしています。下にある土壌の多くは泥炭で構成されています。
この地域の植生は、排水、地下水面の高さ、沿岸へ流れ出る水、そして高地にある高原によって構成が決まり、動物の生態系の乱れが、この地域の植生にも影響を与える可能性もあります。
水はけの良い地域では、Poa foliosaやマッコーリーキャベツで知られているStilbocarpa Polarisが育ちます。Poa foliosaは、この地域を通る小川沿いでも見ることができます。海岸斜面から流れ出て水路になる地域では、アシのJuncus scheuchzerioidesやヌマハコベ、コケのBreutelia pendulaを見ることが出来ます。
水はけが悪く、地下水面が土壌の表面に近い場合は、羽毛ベッドの集まりが発達します。この集まりは、揺れ動く沼で一般的に蘚類や苔類が占めています。このような沼では、シルバーリーフデイジーがしばしば列をなして育っているのも見ることが出来ます。
短い草地は、一般的に動物の影響をうけた地域で発生します。このような地域では、Festuca contracta、時にはLuzula crinitaやAgrostis magellanicaが占めています。隆起した海岸で最も広範囲な植物群落の1つにハーブ野原があります。これは、様々な環境の条件で発生する可能性がありますが、最も一般的に、地下水面が土壌表面の少し下にあり、水はけの良い土地で発生します。これらの地域で主な植物は、Poa foliosa、Stilbocarpa polaris(マッコーリーキャベツ)、シルバーリーフデイジー、蘚類、地衣類、苔類、その他小さな維管束植物などが育っています。
この地域には、動物たちもいて、Poa foliosaとStilbocarpa polaris(マッコーリーキャベツ)の生殖場所には、離乳後の子供のゾウアザラシや脱皮後の大人ゾウアザラシの休憩場所になっています。また、キタ/ミナミオオフルマカモメやゼンツーペンギンの一般的な繁殖地にもなっています。
ゾウアザラシのような動物による植物の踏みつけや破壊や鳥や哺乳類の排便、排尿による栄養水準の増加は、一部の地域が短い草地に変化された根絶前のウサギの放牧のように、植生に大きな変化を引き起こす可能性があります。鳥や過去にはハツカネズミ、ドブネズミ、ウサギの穴を掘る行動もその効果があります。
マッコーリーキャベツであるStilbocarpa polarisは、島に2つしかない植物の1つで、目立った頭状花があり、高さ1mまで育ちます。(もう1つの植物は、シルバーリーフデイジーです。)このキャベツは、種がたまにしか成長しなく(過去にハツカネズミやドブネズミは、種を多く食べていました)、丈夫な地下の根茎からより頻繁に再生します。この植物は、アザラシ猟師、探検家、科学者など、島の初期の住民たちにとってビタミンCの供給源として利用されていました。人間は、植物の茎、葉、根の全てを消費することができました。
(南極旅行/ロス海・亜南極8-3)