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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

チャタムヒタキ

チャタムヒタキ(Chatham Island Black Robin)

 

チャタムヒタキは、国際的な保護活動の計画で絶滅の危機から立ち直りました。この小さな黒い鳥は、チャタム諸島のみで見られます。数は増え続けていますが、まだ個体数が少ないため、絶滅危惧種として分類されています。チャタムヒタキは、13歳まで生きることができ、全長15cmまで成長します。ゴキブリやウェタ、イモムシや地虫などの昆虫を食べます。チャタムヒタキは、生涯一組の番で生きていくことがあります。メスは、通常2つの卵を産み、産み損ねることがあると再び産卵することがあります。現存しているチャタムヒタキは、オールドブルーとオールドイエローという名の最後の繁殖組の子孫になります。

 

チャタムヒタキは、林冠の下の木質な植生に生息し、チャタム諸島の強い風から身を守るために、森林の低い木の枝の中で多くの時間を過ごしています。また彼らは、林床の平らな場所にある深い層のごみくずをあさることも好んでいます。現在彼らは、チャタム諸島の南東島とマンゲレ島に生息しています。フェンスで囲まれたピット島では、別の個体数を増やすための試みが行われています。1972年、野生生物の観察官は、チャタムヒタキをリトル・マンゲレ島で18羽だけしか見つけることができませんでした。1976年には、7羽の鳥しか残っていませんでした。より良い生息地を提供するために120,000本の木がマンゲレ島に植えられました。1980年にはさらに2羽が死亡し、1羽も繁殖できませんでした。

 

見通しは厳しいものでしたが、ニュージーランドの野生生物管理スタッフの専門チームは、繁殖性を高めるために、卵と若い鳥を別の種に交叉哺育する大胆な一歩を踏み出しました。そしてオールドブルーとオールドイエローという名の最後の繁殖組と里親となるチャタムのシジュウカラ類は、チャタムヒタキを絶滅から救うことになりました。世界中で絶滅の危機に瀕する鳥類を救う方法の事例モデルとして使用されているこのようなチャタムヒタキを救うために使われた育成計画は、素晴らしい成功になりました。現在、マンゲレ島と南東の島々では、チャタムヒタキが十分な数になってきているため、保護局は、ピット島の天敵がいない地域に3番目の個体数を確立しようとしています。そしていつの日か、植生が徐々に回復している先祖の故郷であるリトル・マンゲレ島にチャタムヒタキが帰っていくことを期待しています。現在のチャタムヒタキの個体数は、約250羽になっています。

 

(南極旅行/ロス海・亜南極7-4-3)