チャタム諸島の湿地帯
チャタム諸島の湿地帯(Chatham Island Wetlands)
チャタム諸島の湿地帯は、広範囲にわたり多様で、ニュージーランドの絶滅危惧種の淡水魚の約8.5%が生息いています。ワイタンギの年間降水量は、500~1500mmと比較的少ないですが、土地の起伏が低く、隆起しているのは、わずか299mで緩やかな傾斜となっています。そのため、排水が劣っています。泥炭は、雲や冷気、沿岸、湿気、風などの気候によって作り出されます。地表の約60%は泥炭(場所によっては、深さ約10m)または泥炭土壌で覆われています。沼は、泥炭地で発生しますが、降雨のみによって養われるため、痩せています。小さな谷は、地下水とミネラル土壌からの一定量の栄養素を運び、それらは、沼沢や沼地によるものを占めています。多くのサイズの湖、池、水たまりが多々あり、一部は泥炭地に関連し、他のものは砂丘で囲まれています。これらはさらに、湿地の生息地、特に浅い淡水の生息地を提供し、その周りにも沼があります。海岸近くは、海水の塩の強い影響が特徴的な湿地(沿岸の湿地に植生の浸透、岬や岩にまとった浅い泥炭に湿った芝草の植生、小さい河口に潮の沼沢など)を生み出します。
陸と海の間の湿地の境界は、チャタム島の面積5分の1を占める巨大な浅い沿岸のラグーン、テ・ワンガの周りに特によく表れています。テ・ワンガは、イナンガやパティキなどの淡水魚、白鳥の卵やザルガイなどの供給源として価値があります。また干潟、貝、塩沼の芝草、イグサ草原の地帯は、多くの沿岸や淡水及び渡り鳥にとって大切です。生息地の劣化は、淡水域に生息するチャイロコガモやチャタムアイランド・ファーンバード、チャタムクイナなどいくつかの鳥類の絶滅の一因となっています。コクチョウやアヒルなどの狩猟鳥が現在、いくつかの水域に生息しています。
チャタム諸島の湿地帯の多くは、火災や家畜(特に牛、羊、豚)、野生動物の影響を受けていますが、ニュージーランド本土と比べて、充実した栄養素や雑草の影響が少ないです。例えば、湖や川などの淡水域の生息地は、潜在的に厄介な雑草の侵害から逃れてきました。
(南極旅行/ロス海・亜南極7-3-1)