キャンベルコガモ
キャンベルコガモ(Campbell Island Teal)
キャンベルアイランドコガモは、キャンベル島固有のマガモ属のカモで、小さくて飛ぶことができない夜行性の種です。チャイロコガモと同種であると考えられることもあります。羽毛はクリイロコガモと似ています。頭と背中は、緑の虹色のある濃いセピア色、雄の胸は栗色、メスは全体が濃い茶色です。自然の生息地は、ポアタソックグラス、シダ植物やメガハーブによって覆われているタソック草原です。またこの種は、島に巣を作るミズナギドリ種の巣穴を経路に使用しています。荒地をなわばりとしています。おそらく両生類や昆虫を餌としています。
このコガモは絶滅の危機に瀕しており、野生の個体数は50羽未満である可能性があります。かつてキャンベル島で発見されたドブネズミが卵やヒナを食べたことで絶滅の危機に瀕し、しばらくの間、絶滅したと推定されていました。1975年、ラットフリー(ネズミが生息していなかった)のままであったキャンベル近くの小さな島(23ha)のデント島で再発見されました。個体数が非常に少なかったので、なにか1つの出来事で完全に絶滅に追い込む可能性がありました。これを防ぐために、1984年にマウントブルース野生動物センターで繁殖のために、ニュージーランド自然保護局により11羽が捕獲され、残りは1990年に捕獲されました。また、1979年に絶滅危惧種のリストに載せられました。
野生での種の行動に関する研究が行われていなかったため、飼育繁殖は当初、達成が非常に困難でした。繁殖を促す様々な技術を用いた実験が行われていました。1994年、これまでの捕獲で得た卵を産む唯一の野生のメス:デイジーがようやく仲間を受け入れたときにその成功がやって来ました。その後、繁殖は毎年起こり、 野生のオスは、捕獲飼育されたメスとのペアリングによって遺伝子を残しました。
1999年と2000年に25羽の捕獲飼育された個体の少数がコドフィッシュ島で解放され、すでに危機的な絶滅危惧種のフクロウオウムの重要な生息地として集中的に管理され、害虫のいない環境となっています。キャンベル島の生態学的修復の最終段階(牛、羊、猫はすでに除去されていた)では、2001年に島の11,331ha地域全体で120トン以上の毒餌をヘリコプターから散布し、世界最大のネズミ撲滅キャンペーンが行われました。この作戦は、2003年に、正式にラットフリーと宣言されたキャンベル島から、世界で最も密度の高いと推定されるドブネズミ(20万匹)を取り除きました。50羽のキャンベルコガモ(飼育下とコドフィッシュ島からの野生のカモを混ぜ合わせ)が1世紀以上の間存在しなかったキャンベル島へ2004年半ばに野生に放されました。2005年、その後の観察では、これらの鳥の大半が現在も祖国のキャンベル島で繁栄していることが分かりました。
(南極旅行/ロス海・亜南極6-4-1)