キンメペンギン
キンメペンギン(Yellow-eyed Penguin)
キンメペンギンはニュージーランド生まれです。以前はコガタペンギンと密接に関連していると考えられていましたが、分子研究により実際にはマカロニペンギン属とより密接に関連していることが示されています。他のほとんどのペンギンと同様に主な餌は魚です。キンメペンギンは通常、海に面した斜面や小峡谷、海岸に自生する亜麻、マオラン、ルピナスに囲まれた森林や低木林に巣を作ります。これらのエリアは一般的に小さな入り江や大きな湾の岬にあります。ニュージーランド南島の南東海岸、フォボー海峡、スチュワート島(ラキウラ)、オークランド諸島、キャンベル諸島で見る事ができます。
キンメペンギンは現在絶滅の危機に瀕していて推定個体数は4,000羽です。これは世界で最も希少なペンギン種の一つと考えられています。主な脅威は環境の変化だけでなく、生息地の劣化や捕食者の侵入があります。生存している全てのペンギンの中で最も古いペンギンかもしれません。
2004年春、これまで知られていなかった病気によりオタゴ半島とオタゴ地方の北部でキンメペンギンのヒナの60%が死亡しました。この病気は人間にもジフテリアも引き起こす細菌の属であるコリネバクテリウムの感染に関連していて、最近ではジフテリア性口内炎と言われています。しかしこれは単なる二次感染のようです。主要な病原体は不明のままです。同様の問題がスチュワート島の個体数に影響を与えています。
キンメペンギンは一般的に7〜13kmの沖合で採餌し、営巣地からの移動距離は平均17kmです。夜明けに営巣地を離れ、子育て中はその日の夜に戻りますが、それ以外の時には海で2~3日過ごすこともあります。平均の潜水深度は34mです。
キンメペンギンは20〜60mの潜水で獲物を追いかけます。餌の約9割は魚で、残りの1割はニュージーランドアカイカなどの頭足類です。消費する魚種はミナミアオトラギス(blue cod)、アカダラ(red cod)、オパールフィッシュ(opalfish)、スプラット(New Zealand blueback sprat)で大きさは2〜32cmです。ヒナの食事は、ほぼ半分(49%)が頭足類です。
キンメペンギンが集団営巣する種であるかどうかは、まだ進行中の議論です。ほとんどの南極のペンギン種は、大規模で高密度の集団で営巣します。対照的にキンメペンギンはお互いの目の届くところに巣を作りません。彼らは4〜6匹以上のグループで上陸した後、通り道に沿ってお互いに見えない個々の巣に分散します。ニュージーランドのペンギン研究者間で一致していることは、キンメペンギンの営巣地は「コロニー」ではなく「生息地」と呼ばれるのが最も適していることです。
(南極旅行/ロス海・亜南極4-4-3)