ワタリアホウドリ
ワタリアホウドリ(Wandering Albatross)
ワタリアホウドリはアホウドリ科に分類され、大きなアホウドリを意味します。アホウドリ属の中で最大の種類で、南大洋全体の周極の範囲に分布しています。説明された最初のアホウドリの種であり、長い間ゴウワタリアホウドリとアンティポデスアホウドリと同じ種と考えられていました。実際、何人かの著者では、まだこれらを同じ種のすべての亜種であると考えています。アムステルダムアホウドリと共にワタリアホウドリ種の複合体を形成しています。また、世界で最もよく知られ研究されている鳥種のひとつでもあります。
ワタリアホウドリは生存する鳥の中で最大の翼開長(平均3.1m)で、検証された最長の翼は約3.7mですが、おそらく5.3mとの誤った報告が知られています。その翼開長のおかげで、一度に数時間、翼を羽ばたかずに空中に滞在することができ、1m下降する毎に22mを滑空します。アホウドリの体の長さは約1.35mでメスはオスよりわずかに小さく、体重は通常6~12kgです。幼鳥は初めての飛行で16.1kgの体重が記録されています。羽毛は年齢によって異なりますが、成鳥は黒と白の翼を持つ白い体です。オスはメスよりも翼が白く、翼の先端と尾翼だけが黒くなっています。また、頭の側面にかすかなピンク色の斑点があります。ワタリアホウドリは種の中で最も白く、他の種の成長は繁殖期になると翼と体に茶と黒色がかなりの範囲に広がり、ワタリアホウドリの幼鳥に似ています。大きなくちばしは足と同様にピンク色です。ワタリアホウドリはイカ、小魚、海に浮かぶ動物の老廃物を食べます。時には過剰に食べてしまい飛ぶことができずに仕方なく海の上で休むこともあります。
この鳥は卵を一つしか産みません。白色で斑点が少なく長さは約10cmです。繁殖時に南大洋の孤島群(クローゼー諸島、サウスジョージア島、キャンベル島、オークランド諸島、マリオン島、プリンスエドワード島、ケルゲレン諸島、マッコーリー島など)で自由にコロニーを占領します。巣は植物で作られた大きな円錐で土台の幅は1m、頂点の幅は50cmです。
かつて船員たちは長い翼の骨を目的に捕獲し、それをタバコのパイプのステム(吸い口)を製造していました。南大洋の初期の探検家たちは、退屈で孤独の中をアホウドリと交友しながら自分自身を励ましました。クロスボウで「良い前兆の鳥」を撃ってしまった彼の邪悪な運命は、コールリッジの叙事詩「老水夫の詩、老水夫行」の読者には馴染みがあるでしょう。
一生ついてまわる過去の罪の烙印を意味する「首の周りのアホウドリ」の比喩もまた、詩から来ていて不安や障害を引き起こす余計な負担を示しています。帆船の時代、アホウドリは船に何日も同行することが時々ありました。それは単に船についてくるのではなく、船の周りを大きく旋回しながらついてきて、海の上に降りることがありませんでした。穏やかな時だけでなく暴風雨の天候でも、疲れる様子もなく飛行を続けていました。
(南極旅行/ロス海・亜南極4-4-2)