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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

ムジアオハシインコ

ムジアオハシインコ(Antipodes Island Parakeet)

 

生物分類学上の属の中で最大のムジアオハシインコの認識は1831年までさかのぼります。当時、標本として捕らえられた後にイギリスへ運ばれ、動物学会の庭園で生涯を過ごしました。死後、ムジアオハシインコの皮膚は大英博物館に保存されました。

 

オリバーによると、イギリスの画家エドワード・リアが1832年に出版した有名なフォリオ・モノグラフ「オウムまたはインコ科のイラスト(Illustrations of the Family of Psittacidae, or Parrots)」でこの鳥を描いていました。この種は1886年3月、政府汽船ステラ号のフェアチャイルド船長によってアンティポデス島で再発見され、後の訪問では乗組員が数羽捕獲し生きたまま本土へ持って帰りました。手で簡単に捕らえることができたようです。たとえ成鳥でも簡単に捕獲できたことをブラーは語りました。

 

このインコは、主にアンティポデス島とボロン島に生息し、リーワード島、ウィンドワード島内陸、アーチウェイ島には、僅かに生息しています。

1978年には個体数が2,000~3,000羽と推定されていました。個体数の傾向は不明ですが、数は安定している可能性が高いと思われます。島の生息地全体に背の高いタッソク草原やカヤツリグサが最もよく見られ、これらの植物は種子、果実、花いずれも鳥の餌の大部分を占めています。

 

また、トウゾクカモメに殺されたペンギンやミズナギドリの死骸に残されている脂肪を食べるためにイワトビペンギンやシュレーターペンギンの営巣地周辺を漁ることで知られています。この鳥はタッソク草を掘って地下に巣を作り、巣穴の長さは1m以上になることもあります。

 

子育て中は5~6羽のヒナが孵りますが、野生の環境では羽が生えそろった若鳥へ成長できるのは1~3羽と言われています。若鳥は一年で繁殖をすることができ、アンティポデス島で再捕獲した2羽は少なくとも10歳を超えていたので、非常に長生きする種の可能性があります。ネズミ、ネコ、イタチなどの捕食者が偶発的に侵入すると、ムジアオハシインコにとって明らかに潜在的な脅威です。

 

アンティポデス諸島は自然保護区で、入島は許可によって厳密に制限されています。1907年、カピティ島で12羽の鳥が放たれ、約20年間生存しました。この種は非公式な鳥小屋で広く飼育されていて、すぐにこの環境に適応します。種を保護するために捕獲管理計画が実施されました。

 

(南極旅行/ロス海・亜南極3-4-1)