植物相
植物相(FLORA)
アンティポデス諸島群はオークランド諸島よりも降雨量が大幅に少ないため、まばらな植物相になっています。確認されている79種の維管束植物(いかんそくしょくぶつ)のうち5種が固有種であり70種が在来種です。伝来した4種の植物種はすべて特定の場所に限定されていて人間からの影響を最も受けやすい領域に制限されています。
植物相は固有種を超えて生物地理学的るつぼを表しており、植物相の5%はチャタム諸島だけと共有、さらに種の18%はニュージーランドの亜南極諸島だけで発見、植物相の55%はニュージーランド本土と共有しています。(残りの 10% は、これら広い地理的地域の2ヶ所以上で生育しています)植生は、ほぼ全体がPoa Litorosa(タソック草の一種)という種類が大半を占めています。放牧が少なく緑豊かであり、良好な状態です。
沿岸地域のタソック草は、特に大きくて密度が高く2mに達しますが、海岸の露出した場所や海鳥が多い地域では、シダや数種のメガハーブ種が散在しています。
特定の沼地にはタッソク草は、殆ど無く、Anisotome antipoda(セリ科の顕花植物)、Stilbocarpa polaris(メガハーブ)、Coprosma perpusilla(コーヒー科の顕花植物)、Hymenophyllum multifidum(シダ植物の一種)が見られます。標高が高くなると、しばしば根茎の土台の上にPolystichum vestitum(シダ)があり、これは草原の重要な構成要素となります。
保護地域にはStilbocarpa polaris(メガハーブ)やCoprosma perpusilla subsp. antipoda(コーヒー科の顕花植物の亜種)が密生しています。
この亜種と2つの同属種は諸島群で発生する唯一の木本植物で、場所によっては足を踏み入れられないほどの木立ちを形成します。オオフルマカモメが地面を豊かにし、浸透が起こっている場所にはSenecio radiolatus subsp. Antipoda(固有のハーブの亜種)が豊富です。隠花植物として地衣類17種、苔類37種、蘚類(せんるい)21種は島全体の植物多様性を2倍にします。
(南極旅行/ロス海・亜南極3-3)