10.ゾディアック・ボート
北極では探検船が接岸できる桟橋はなく、ゾディアック・ボートと呼ばれるエンジン付きのゴムボートを利用します。ゾディアック・ボートは過酷な条件での航行にも耐えることができ、探険に適したボートです。喫水が浅く、空気は6つの仕切りに入っていますので、十分な浮力があり重量を支えます。6つの仕切りは決められた圧力を保つようお互いにバルブで繋がっています。たとえその中の幾つかが破れても浮き続けます。
ゾディアックを使った北極観光は、2パターンの観光があります。
ゾディアックの注意事項
安全なゾディアック利用の為に以下の事を守ってくださいますようお願い致します。
1.ボートに乗船する際は安全のため、常に救命胴衣を着用して下さい。天候や海況に関わらず着用が義務づけられています。
2.ボートに乗る時は、カメラ、双眼鏡、手袋などリュックサックに入れ、両手を空けた状態にしてください。三脚など大きな荷物はスタッフがお手伝いします。ボートに乗船後、リュックは背負わず足元へおいてください。
3.ボート乗下船の際は、ゾディアック・ドライバーと乗組員の両方の手助けを受けて、「船乗りの握手」と呼ばれる両手手首を握り合う方法で行って下さい。
※通常の握手は手が解けてしまい危険です。
4.ゾディアック・ドライバーの指示に従って下さい。航行中に立ち上がることは禁止です。止まってほしい時やスピードを落としてほしい時はドライバーにお伝えください。
5.ゾディアック・ボートが揺れる時は、黒いロープにお掴まりください。船首は、より弾み、揺れます。ドライバー近くの席が一番揺れません。
6.ボート航行中にカメラを使用することはできますが、水しぶきがかかることがありますのでご注意ください。撮影スポットではボートを停め、ドライバーの許可を得てから立ち上がって撮影することができます。ボート内ではみなさんが写真を撮りたいと考えていますので譲り合いながら撮影をお願いします。
7.上陸の際、船首側より順番に降ります。はじめにゴムのヘリに腰を掛け、片足を挙げて跨ぎ、残りの足を持ってきて降ります。上陸の際は、常にスタッフの指示に従って下さい。
防水対策
船内放送で陸地の状況と予想される気候を事前にお知らせ致します。波や風が強い時はボート航行中にしぶきでリュックサックが濡れる可能性が高くなります。カメラや双眼鏡などはジッパー付のビニール袋に入れておくことをお勧めいたします。また、手袋が濡れた時のために予備の手袋をリュックサックに入れておくとよいでしょう。
ゾディアック・ボートの非常設備
ゾディアック・ボートには以下の設備を搭載しています。
1.予備の燃料
2.非常用の食料
3.緊急時用の設備
4.パドルと救命ロープ
5.パンクしたら、それ以外の隔室に詰めて座ることができますのでご安心ください。
ゾディアック・ボートから転落した場合(Man Over Boat)
・ゾディアック・ドライバーの横に座っている2名のお客様以外は、床に座ってください。
・ゾディアック・ドライバーの横に座っている2名のお客様は、着座したまま、海に転落した人を指さし続けてください。
・ゾディアック・ドライバーの指示に従って落ち着いて行動してください。
・転落者はロープを投げられたら、袋ではなくロープにしっかりと掴まってください。
・ゾディアック・ドライバーが海に転落した場合、安全コードが抜ける事によりエンジンは自動的に止まりますので。お客様は、床にお座りになってください。
・エンジンをスタートさせたりしようとしたりせずに、ゾディアック・ドライバーが泳いで帰って来るまでお待ちください。救命ロープやパドルを使って頂いても構いません。
(北極旅行乗船ガイド10)