ミンククジラ
ミンククジラ(Antarctic Minke Whale)
ナガスクジラ類で一番小型なのがミンククジラです。体長8m~10m、平均体重は6~8トンで最大9トン位になります。鼻先が細く尖っている点でよく目立ちます。体色は背中が濃い青みがかった灰色で、腹の部分が薄い灰色です。胸ひれの上から青白い模様が背中まで伸びています。体のかなり後ろの方に体長に比較的して大きな背びれがあります。ミンククジラの噴気は普通あまり目立ちません。水面に出る直前に息を吐き始めているからです。よくブリーチング(跳躍)をすることがあり、一度跳ね上がると2、3度それを続ける習性があります。船に近づいて船底の下を端から端まで潜るという一風変わった習性も持っています。ミンククジラは一般に沿岸や流氷の間で見られます。
ミンククジラは泳ぎが速く、オキアミが獲れないところではよく小さく群れている魚やイカを食べます。餌を食べるときは無我夢中の様子になり、激しくしぶきをあげながら飛んだり跳ねたり、まるで食べ物中毒のような様子で食べまくります。
ミンククジラは大型のヒゲクジラが激減したため爆発的に個体数が増加したように見えます。餌の量が増えたのが幸いしているのです。他のクジラの場合と同様、ミンククジラの個体数について意見が分かれていますが、現在おそらく全部で50万頭ほどのミンククジラがいてその半数が南極海で見られます。国際的な圧力にも拘らず、日本は今でも遠洋捕鯨船で全種資源調査の際、年間400頭程度のミンククジラを獲っています。いくつかの国及び鯨保護団体では反対しています。※他にノルウェーとアイスランドも沿岸捕鯨を継続しています。
(南極旅行&南極クルーズ6-9-5)