繁殖(REPRODUCTION)
たいていのメスは5歳か6歳で成熟します。オスは8歳か9歳で成熟しますが、13~15歳になるまで他のオスと争う事はありません。
1月~4月迄の冬の間、タイヘイヨウセイウチはベーリング海の中央や南にいますが子作りの時期でもあります。妊娠中のセイウチと離れ、伝統的な場所に繁殖(交配)の準備ができているメスの群れが集まります。氷の上にいるメスの群れにたくさんのオスがやってきます。オスはメスに存在を知らせるためにアピールし、メスをめぐってオス同士の戦いが起きます。アピール方法は、海中でも空中でも聞こえる鳴き声です。メスをめぐるオス同士の間で戦いに勝ち抜いた個体が、多くのメスを所有するハーレムを形成します。
メスが繁殖行為をした後、胚盤胞が着床するまで4ヶ月の遅れがあります。その後、11か月間懐胎がありますので、懐胎期間はあわせて15ヶ月です。出産は4月中旬から6月中旬に行われます。ピークは5月ですが、妊娠中のメスは春に北に移動します。
メスは幼い子供の世話をし、悪天候の場合には、子供を足ひれと胸の下で保護し守ります。授乳期間は約2年続くこともあります。最後の18か月は、子供は徐々に離乳しますが、子供が独り立ちする時、若いオスは他のオスの群れに入る傾向がありますが、若いメスは他のメスと一緒に残ります。
(北極旅行/極東ロシア13-3)