概要（OVERVIEW）

カムチャツカ半島はオホーツク海と太平洋の間に突き出しています。地球上で自然が手つかずの状態で残っている数少ない場所の1つです。島の約30パーセントが国立保護区となっています。

カムチャツカは1万5000年前に人類が住みだしました。先住民の文化や生活様式は、そこで見られる自然の資源を大いに活用していました。イテリメン族は、主に猟師で、コリャーク人、エヴェン人は、狩猟やトナカイ飼いをしていました。

最初のコサックの探検家は、17世紀中ごろにカムチャツカにやって来ました。17世紀の終わりと18世紀初めに、極東とカムチャツカに対し、関心が急速に増し、ピョートル1世によるロシアの経済発展がありました。非情で残忍な支配者達の時代で、地元の人々が苦しんだ時代でもありました。

1724年ピョートル１世がロシアの北東の海を探検するためにデンマーク生まれのロシア帝国の航海士で探検家のヴィトゥス・ベーリングを任命し、ベーリングはこの地域に2回探検隊を率いました。

地域の首都ペトロパブロフスク・カムチャツキーは、1740年の2回目の探検の2隻の船に因んで名付けられました。

多くの伝統的な生活がソビエトの集団化や工業化の流れによって壊されました。1989年に政治の変化と州の共同体システムの消失以来、これらのシステムに伴う財政支援はなくなり、多くの人々が苦しんでいます。

第二次世界大戦中と戦後、カムチャツカはアメリカ合衆国に最も近いソ連領として軍事地帯に指定され、外国人やロシア人も同様に入域が禁止されました。潜水艦の基地が造られ、国境の巡回監視がなされています。

（北極旅行／極東ロシア5-2）