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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

サハリン州(SAKHALIN OBLAST)

サハリン州の総面積は87,100平方kmで、サハリン島と千島列島を含みます。サハリン島は、ロシアで最も大きな島で、面積は76,400平方kmです。長さ948km、幅は一番広い所で160km、一番狭い所で26kmあります。

千島列島は、面積が15,600平方kmで、南北1,200km伸びており、30以上の島々や多くの小島や岩盤があります。サハリン州には17の地方があり、3つが千島列島にあります。

サハリンの海の気候は、本島のハバロフスク地方と比べて温暖で雨が多く、平均気温は、1月の-30℃から7月の15℃の間です。南部の春は、北部と比較して1か月早く到来します。

夏は8月を除いて涼しく、6月と7月は霧に覆われる事が多く、秋はハリケーンのような強い台風がきます。 11月から3月までは降雪が多く、最北部の地域では、50㎝、南部の地域で70㎝、東部で100㎝の積雪があります。

千島列島は、モンスーンの影響をほとんど受けませんが、急激な天候の変化があります。冬は温暖で夏は涼しいです。オホーツク海は、5月下旬まで、1年の内の6か月間、氷に覆われています。サハリン島の4分の3は山で、最高峰は標高1,609mのロパーチン山です。

サハリン島の3分の2は森で、北から南まで変化に富んでいます。北はグイマツの森に覆われています。 中央部にはソ連エゾ松(現地名はエリアンスカヤ/Ayan Spruce)の最も広い地域とサハリン・モミの森があります。
島の南半分は、20世紀前半の日本統治時代に樹木の伐採と山火事により南の森は深刻な被害を受けました。結果として、大部分は小さな葉の森やイシカバ(Stone Birch)で覆われています。テルペニア(Terpeniya)湾の海岸線に沿った北西海岸と北東海岸、アニワ湾近くの南には、湿地帯が広がっています。

千島列島は一連の火山で、海峡によって分かれています。これらの火山のうち39は活火山で、最高峰は、国後島にある標高1,819mの爺爺岳(ちゃちゃだけ)と阿頼度島(あらいどとう/アトラソフ島)にある標高2,339mの阿頼度山(あらいどざん)です。広範な針葉樹森が千島列島南部の55%を覆っています。
竹も南に広がっています。択捉島のほとんどがカラマツの森で覆われています。一方、得撫島と色丹島は、ストーンバーチの森が4占めています。日本カサマツは、色丹島を除くすべての島の標高の高い場所に生育しています。ハンの低木は、北でより見られ、諸島の中央部はたいていツンドラで、沿岸部は牧草地です。

動植物(Flora and Fauna)
サハリンは、地理的に冷たいオホーツク海と暖かい日本海と太平洋から近いためユニークな植生の寄せ集めになっています。
かつてのソビエト連邦の哺乳動物種の27%、鳥類の43%、クジラ類の94%が生息もしくは、州を回遊しています。45の固有種や多くの珍しい種を含む1570種の植物相があります。サハリンには371種の鳥類が繁殖しています。

居留区(Population Center)
サハリンの人口の85%以上が町に住んでいます。ユジノサハリンスクは、1905年から1945年まで日本政府の統治下にありましたが、現在はサハリンの行政の中心地です。
ホルムスクは重要な港町で、漁船団や魚加工産業、造船や修理の中心で、食物産業の企業と2つの廃れたパルプ/製紙工場があります。
コルサコフは国際港で、サハリン最大の漁業の中心都市です。また、沖合の石油プロジェクトの拡大で重要性が増すことが期待されています。

政治的立場(Political Status)
サハリンの南半分は、1905年から1945年まで日本の統治下にありました。また、サハリンの北半分は1920年から1925年までは、占領下にありました。1947年にサハリン州は、ハバロフスク地方から独立しました。

千島列島は、1875年に日本に譲渡され、1945年にロシアによって表面上は解放されましたが、1951年に日本とロシアの間で作成された平和条約が未締結のため、断続的に交渉は行われていますが、千島列島は未解決です。

天然資源(Natural Resources)
サハリンの資源は、魚、材木、石油、ガス、石炭や他の鉱物です。千島海盆とオホーツク海は世界有数の漁場の1つです。オホーツク海の沖の石油埋蔵量は、石油は1,000 mmt(10億トン)で、ガスは3兆6,000億立方メートルと推定されます。沖合の石油とガスの埋蔵量の60から70%は枯渇しました。木材の蓄えは合計6億165万5,000立方メートルで、そのうち2億747万立方メートルは商業伐採に適しています。長年生産を支えた60以上の中規模の石炭鉱床がありますが、採掘費用は高くなりつつあります。

(北極旅行/極東ロシア1-1)