バイオセキュリティ
サウスジョージアの気候温暖化で、島のバイオセキュリティは日増しに人間の行動で傷つきやすくなっています。
訪問者と貨物の増加により、偶然又は不注意により外来種が持ち込まれ、温暖化はそれが根付く可能性を高くしています。
外来種が上陸し環境的な大問題とならないように絶え間ない警戒が必要です。
ドブネズミやイエネズミが持ち込まれないように、既に侵入している地域とそうでない地域を行き来する際には特に厳重な注意が必要です。ドブネズミ駆除のための大変な努力とそのための膨大な予算もちょっとした不注意で元の木阿弥になってしまうのです。
軍人、科学者、漁船員、観光客を問わず島に来る全ての人は、外来動植物が侵入しないように厳重なバイオセキュリティ処置に従わなければなりません。全ての動植物および土壌を持ち込まず、各人は自分の衣服と装備を点検する必要があります。
長靴は上陸前後に毎回殺虫剤入り液剤で洗浄します。
全ての生肉、生果物、生野菜、そして乳製品、特に家禽製品と卵は持ち込めません。キングエドワード・ポイントの桟橋には事前に許可された船のみが接岸でき、船内でのバイオセキュリティ措置の実行に加えて、係留ツナにはネズミ返しを付けなければいけません。
キングエドワード・ポイントへの貨物・装備類は検疫所で検査し、洗浄のために一時隔離されます。
フォークランド諸島出発前に点検してはいても、チャタテムシ、ムカデ、ハサミムシなどが見つかっています。
ハサミムシは特に、フォークランドでも害虫に指定されているので注意が必要です。
2種のカブトムシ:オサムシカブトムシとオサムシ科のMerizodus soledadinusは既に定着し、原産のカブトムシ類に影響を及ぼしています。
ハナアブとホホアカクロバエも最近の侵入種で拡散しつつあります。
問題はこれらが外来植物の受粉を助けたり種を運んだりして、それらの拡散を促進してしまう事です。
(南極旅行/サウスジョージア島29-1)