捕鯨業者の教会
捕鯨基地後方にある教会はグリトヴィケンに残された唯一、当初の機能を保っている建物です。クリスマスはもちろん、時に結婚式も執り行われました。
教会はC.A.ラーセンの注文でノルウェーのストロメンでプレハブ化されたもので、グリトヴィケンの従業員が組み立て、1913年のクリスマスに、ラーセンの孫娘であるソルヴェイグ・ヤコブセンが洗礼を受けるのと共に神様に捧げられました。
クリスマスイヴには二つの鐘が高らかに鳴らされました。
1931年まではルーテル派の牧師が短期間、断続的に来ていましたが、そのうちの一人は「捕鯨船員たちはもっと宗教生活をする事が望まれる。」と報告しています。
教会はその後、ジャガイモ置き場としてや近くに映画館が出来るまでは映画会にも使われました。
頻繁な修理にもかかわらず、年と共に教会の壁紙などの傷みが進みました。
1994年11月にはハリケーンで屋根の一部が飛ばされてしまい主柱の一部の腐食も見つかり、そのままでは教会はすぐにでも崩壊しそうな状態でした。
徹底的な修復と改装が1995年から数年かけて行われました。
骨組が補強され、屋根と腐食した木材は替えられました。
屋根と尖塔は完全に復元され、腐食した窓枠も入れ替えられました。
最後に教会はペンキの塗り替えをしました。サウスジョージア政府はいまも引き続きグリトヴィケンの教会とキングエドワード・ポイントにあるその他の史跡を維持しています。
サウスジョージアでは13名の出産登録がされ、何組かの結婚式も執り行われました。死亡数は、驚くには当たりませんが、出産と結婚数を大きく上回っていて、200基近くの墓がサウスジョージアに登録されています。
海で命を落とした船員たちの墓はありません。
捕鯨基地にはみな墓地があり、レイス・ハーバーには2か所あります。
最も早い墓は19世紀のアザラシ猟師のものですが、多数は捕鯨船員のものです。
死因のほとんどは基地や捕鯨船での事故です。
(南極旅行/サウスジョージア島24)