ナンキョクオキアミ漁
オキアミ漁は1970年台初頭に日本、ソ連、そして後にポーランド、チリ、韓国によって缶詰、冷凍、練り物などの形で人間消費用として始まりました。
最盛期は1981~82年の528,000㌧でしたが、その後減り、1992年までは20万㌧レベルを保っていました。
原因は殻に高濃度のフッソが含まれている事が発見されたからです。
1990年代初めの激減はソ連邦の崩壊に伴い東欧圏で漁業熱が下がったことによると考えられます。1992年から2002年までは毎年10万㌧~12万㌧の間を推移していました。最近は20万㌧に増えています。
スコシア海における現在のオキアミ上限漁獲量は563万㌧ですが、漁獲配分の了解が得られるまでは下限の62万㌧、に設定されています。
この下限設定数は、オットセイ、ペンギン、コオリウオなどオキアミを捕食する動物への影響を最小限にするためです。サウスジョージア海域の暫定漁獲上限は279,000㌧で、サウスサンドイッチ島海域の93,000㌧を含みます。
サウスジョージアでのオキアミ漁は、海氷のためにそれより南の海域で作業ができなくなる冬(4月~9月)に行われます。冬はオキアミを捕食する動物が繁殖中ではないため営巣地近くに囚われず、さらに遠くまで採餌に出かけられるので影響が少ないと考えられます。
オキアミ漁の初期は通常の大型遠洋トロール船を使い、一日当たり300㌧を捕獲し処理していましたが、連続トロール船の導入により、オキアミを網から処理工場に連続して汲み上げる方式となったので、一日当たり800㌧まで効率が上がりました。
栄養補助食品として販売されているオメガ3オイルに富むオキアミ油が主力製品です。オキアミ肉の乾燥ペレットは養殖魚用の餌に、人間用の消費も研究中です。
乾燥した殻は肥料に使っています。
(南極旅行/サウスジョージア島12-3)